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60話 治療②

皆様のおかげで6000PV超えを達成することができました。

5000PV超えからあっという間でした。

これもひとえに日頃から読んでくださっている皆様のおかげです。


これからも頑張っていきますので応援よろしくおねがいします


肉切り包丁を持って近づいてくるラインハルトにダミアンは恐怖したが、

軍医の部下のヴェアヴォルフ族の3人押さえつけられているので、逃げることもできない。



ウルフシュタットは思わずエカテリーナに聞く。




「大丈夫なのですよね?」




その質問にエカテリーナは満面の笑顔で答える。




「はやい治療には痛みが付きものです」




ウルフシュタットは顔をひきつらせた。




ラインハルトは肉切り包丁を振り上げる。

それをみてダミアンは悲鳴を上げたが、ラインハルトはかまわず包丁を振り下ろす。


包丁は見事にダミアンの腕を斬り落とした。

哀れなダミアンは肘と手首のちょうど中間あたりに包丁があたり、

1日の間に2度も腕を斬り落とされてしまった。



ダミアンは痛みで本日2度目の絶叫をした。

しかし軍医はそれに構うこと無く素早く処置していく。


たった今斬られた腕は凄まじい勢いで出血している。

軍医はその腕に、先程腕に塗ったのと同じ軟膏を塗っていった。

すると出血はすぐさま治まった。


つづいて軍医は決闘で斬り落とされた腕の切り口にも軟膏を塗る。

そして斬り落とされた腕に添え木をすると腕をくってけいく。


決闘でラインハルトに斬り落とされた手と、たった今斬り落とされた手首から肘下の腕。

それらに軟膏を塗ってくっつけると添え木をして包帯を巻く。

そしていまだ絶叫をしているダミアンに言う。




「いつまで叫んでいるつもりだ。

 軟膏を塗ったので痛みはほとんど無いはずだ。

 腕が熱を持っているのを脳が痛みと勘違いしているだけだ。

 しっかりしろ。深呼吸でもして落ち着け」




肩で息をしているダミアンは、なんとか落ち着くために口を閉じて鼻で息をし、

無理やり呼吸を落ち着けようとする。

両側からヴェアヴォルフ族の軍医の助手がいまだにダミアンを押さえつけている。

彼らがいなければ、ダミアンは腕を斬られた痛みで部屋中を走り回っていただろう。


やがてダミアンは落ち着きを取り戻し呼吸も正常になっていった。

そうなってからはじめてダミアンは自分の腕に痛みが無いことがわかった。

軍医の言う通り腕は熱を持っているだけで痛みはない。

ダミアンは何度も自分の腕を見てこの不思議な現象を理解しようとする。




「さて、これで最後だ。

 こっちの斬り落とした方のお前さんの腕をくっつければ万事解決だ」




軍医がそう言って、添え木がされ包帯が巻いてあるダミアンの斬り落とされた腕を

持ってくる。

軍医はダミアンに腕を差し出すように言い、ダミアンが従うと軍医は腕をくっつけた。

さらに軍医は接合部分に添え木をしてそれを包帯で包んだ。


処置をされている間にダミアンは思わず驚いて声を上げた。




「手の‥‥指の感覚がある!!」




その言葉に軍医はため息をついた。




「何を当たり前のことを言っている。

 半日もすれば指先まで動かせるようになる。

 だが、念の為明日まで安静にしていろ。明日になれば腕は元通りなるはずだ。

 そうなったら、軟膏も洗い流してかまわん」


「どうして私の腕は斬り落とされたのですか」


「おまえさんの腕は、最初にラインハルト様との決闘で斬り落とされた方の腕は、

 一度土に還っているせいで元に戻ろうという意思が弱っていた。

 だから新たに腕を斬り落として、その腕の意思でくっつけたというわけだ。

 つまりお前の手首から先の手はくっつこうとする意思がないが、

 先程斬り落とした腕がくっつこうとしているので、元に戻るというわけだ」


「なるほど、なんとなくわかる気がします」


「この程度の治療は子供でも知っている一般的な治療法だ。

 お前の傷ついた腕を放置しているのを見てラインハルト様が怒ったり、

 義清様が不思議がるのも無理もない。

 当たり前のことがされておらんのだからな。

 まあ、お前さんたちが急ぎでここから離れなければならんと言うので荒治療したが、

 別に時間がかかってもいいなら、ただ軟膏を塗って待てばいいだけだんだがな」


「そうなんですか!?

 その場合くっつくにはどれくらいの時間がかかるのですか?」


「ま、余裕を見ても3日というところだろう」




この言葉にダミアンは思わずウルフシュタットの方を見た。

それくらいならばこの村に留まってもよかったのでなはいか。

そうなれば自分はわざわざ1日に2度も

腕を斬り落とされずともよかったのではないか。

ダミアンの瞳はウルフシュタットにそう訴えかけていた。


ウルフシュタットはそれを見て咳払いをすると一言いった。




「これに懲りたら実力違いの相手に決闘など挑まないことです」


その言葉に全員が深くうなづいた。


コメントとブックマークと評価して頂けると、すごく励みになります。


ブックマークだけでもポイントはいるんです!!


どれか1つだけでも構いませんのでやって頂けると、非常にとても大変すごく嬉しいです。

どうか是非ともお慈悲をっ!!


次回更新予定日 2020/2/28


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