5話 貴族連盟の本陣にて
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「奇襲とは言えあっけないものでしたな」
「ワインボトル一本開けて終わりですね」
「モンスターごときが、ボトル一本持っただけでも良しとしておこうではないか」
「そのモンスターの首領があの醜い化け犬で、分不相応にも自分の庭に銀まで溜め込むのだから、これは当然の結果よ」
先程の民兵達の笑いよりは上品な笑い方をするものの、その内には遥かに陰湿なモノを含みながら、貴族たちは一斉に嗤っていた。
貴族連合の本陣では戦の最中だと言うのに、テーブルを囲んでワインを開けていたのだ。
「本当に降伏勧告なさるので?」
貴族連盟の盟主に対して別の貴族が聞いた。
「うむ。貴族同士の習わしだからな」
「しかし、王都にあやつらを皆連れて行くのは面倒では?ここで殺してしまった方が遥かに簡単なような」
「王都へは連れて行かん」
居並ぶ貴族が全員、矛盾した発言をする盟主を思わず見た。
「しかし、それでは降伏勧告の意味が‥‥」
「そうですぞ。貴族の特権として、裁判を受ける権利と降伏した場合の命は保証されております」
「脱走した場合は別だ」
盟主は頭を使えと言わんばかりに自らの頭に指を当て、トントンと叩きながら全員に目をやると、その場にいる他の貴族達は「なるほど、そういうことか」と納得し合った。
普通なら貴族は脱走などしない。負け戦でも命が保証されているし、裁判になれば万に一つだが自分に有利な判決が出る可能性もある。故に、貴族にとって降伏した上での脱走など、得られるモノより失うモノの方が遥かに大きいのだ。
それを貴族でありながら脱走した事にしてしまえば、その場で討ち取る事ができ、王都まで連れて行く手間も省け、更には相手がモンスターにも拘わらず、貴族としての礼儀まで尽くしたという栄誉まで得られるのだ。
ここに集う貴族達の盟主に相応しい考え方である。
(まったく、ご立派な考えだこと…)
(よくそのような事を隠そうともせず言えるものだな)
(貴族どころか人間としても最低だな…。この者こそモンスターよ)
(その考えの十分の一でも自分の顔に向ける事ができれば、その汚く曲がったチョビ髭が似合っていないとわかろうものだがな)
ここに居並ぶ貴族達ですら悪態を吐きそうになるのを堪える中、貴族の一人が本音が漏れてしまわない内にと、通例通り貴族自身が降伏勧告にしに入城しましょうと呼びかけたのだった。
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次回更新予定日 2020/2/14
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