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50話 話し合い

さらにブックマークと評価して下さった方がいてくれました。

ほんとうにありがとうございます。

何気ないことが私にとっては大変うれしく思っております。





(状況はあまり飲み込めませんが、罠にハマったと見て間違いないでしょうね)




ウルフシュタットはため息まじりに、あたりを観察しながら思った。


森から出てきたボア族とヴァラヴォルフの戦士たちの人数は千人はいるだろう。

自分達が通って来た道も三百人ほどのヴァラヴォルフ族が完全に封鎖してしまっている。

逃げ道はどこにもない。


弟のダミアンは動揺しきっている。

その動揺が配下の騎士にも伝わって、白色鎧の騎士たちは可愛そうなほど怯えている。

鎧がガチャガチャと音を立てるほど震えて、その手に持つ剣もカチャカチャと音を立てている。



一方ウルフシュタット配下の黒色鎧の騎士たちは冷静だ。

ウルフシュタットの周りに集まると静かに剣を抜いて円陣を組んだ。

数々の歴戦をくぐり抜けてきた精鋭である彼らはわかっている。

ここまでの数の差があってはどうにもならない。

簡単に殺されるだろう。

しかし、それに怯えて何になるというのか。

どうせ死ぬなら怯えてどうする。

怯えているのは生に期待しているからだ。

死ぬとわかっていて期待など、まして怯える必要などないのだ。

考えるは自分の死に方だけである。



そんな配下の騎士たちの全幅の信頼をもらっているからこそ、

ウルフシュタットは必死に考える。




(なにか、なにか手を考えなければ全滅ですね。)




ウルフシュタットは必死に頭を動かす。

この場で頼りにできるのは自分自身だけだ。

王都で腑抜けた弟も、宗教狂いの神官連中も頼りにはならない。

自分にそう言い聞かせていると、ウルフシュタットの頭にある考えが浮かんだ。




(神官……そうか、元々この状況を作り出したのはあの人でしたね。それなら……)




ウルフシュタットが考えが巡らせている間にも、事態は動いていった。


森からは次々と2つの種族の戦士達が飛び出してきて、

あっという間に村の前の広場に埋め尽くしてウルフシュタット達に迫ってくる。

村からもボア族の戦士達が門から続々でてくる。

ウルフシュタット一行は二つの集団に挟まれて完全に包囲されてしまった。



ここでウルフシュタットは先手をとって声を張って言った。




「お待ち下さい。こちらに非礼があったのは謝ります」




村から出てくるボア族の先頭に立って、

侍従神官の足に刀を突き立てたボア族の戦士がそれに答える。




「ならばこの不始末、どう落とし前をつけるつもりかっ?

 こちらは、同胞が一人、明日をも知れぬ命となってしまったのだぞ!!」


「それについては、深くお詫び申し上げます。

 ついては、どうでしょう。

 本人に責任を取らせるということでこの場を治めていただきたい」


「つまり、あの無礼者を俺達がどう扱っても文句は言わんということか?」


「それで場が治まるなら、なによりです」


「ふーむ」




ボア族の戦士は考えているが、ここでダミアンが異議を唱えた。




「兄上!!侍従神官殿は教会に属する方ですよ!! それを……」


「おだまりなさい、ダミアン。

 他国の教会の者が犯した失態など知ったことではありません。

 その責任は自分でとってもらいます。

 誰でも話しかけて、いきなりムチで打たれては腹が立つのも当然です」


「しかし兄上!!……」


「どうした、なにがあった?」




ここで村の中からボア族の副官がでてきた。

近くの者が事の次第を報告する。

すると副官はウルフシュタットと話していた戦士に、あとは私がかわろうと、

ウルフシュタットの前に立った。

ここでウルフシュタットも馬を降りて、対等な立場であることを示した。


副官が先に口火きる。




「そちらの、無礼を働いた者をこちらに差し出すということだが……」


「なんとか、それでこの場を治めていただければ幸いです」


「残念ながら、それはできませんな」


「なぜです? 責任を取らせているつもりですが……」


「貴殿らは私達の兵に剣を向けたとか。

 つまりはこの場にいる者の安全を脅かした。

 それは、兵に剣をむけるということは、この地の民に剣をむける事と同等。

 この地を守護する私達としては見過ごせませんな」


「お待ち下さい。この地を守護するとはどういう意味ですか?

 ここはラビンス王国の土地ですよ」


「ここらの民は随分と過酷な状況で生活している様子。

 その有様に心を痛めた我らが主は、この地の救済を決められた。

 それによってこの地の民は、我らが守護すべき人々になった、というわけですな」



ここで横で聞いていたダミアンが口を挟んだ。



「そんなことが認められるものか!!

 ここはラビンス王国の正式な土地!!それを犯すのは侵略以外の何物でもない!!」


「おだまりなさい ダミアン!!」




ウルフシュタットが声を荒げたところで、村の門のところがざわつき始めた。




読んでいただいて、ありがとうございました。


コメントとブックマークと評価して頂けると、すごく励みになります。


どれか1つだけでも構いませんのでやって頂けると、非常にとても大変すごく嬉しいです。


どうか是非ともお慈悲をっ!!


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更新情報などもこちらでお伝えしようと思います。


https://twitter.com/MAME24171101


次回更新日 2019/1/19

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