ひきこさんについて
「ひきこさん知ってる?あ、これ編集点ね」
「こんな初っ端から『編集点』って言葉が出てくる文章も無いと思う」
「ひきこさんは…あの、あれ!OLのカッコした、コップに座ってるフィギュア!」
「それは多分ひきこさんじゃないな」
「コップのひきこさん」
「そんなの存在しない」
「ふちこか…」
「商品名になっちゃうから黙って…ひきこさんっていうのは白い服着てデカい人形を引きずり回してる長身の女性だ」
「ふうん」
「そして口は耳元まで裂けて目が吊り上がっているらしい」
「口裂け女じゃん!」
「似てるけど、ひきこさんは長身ってとこが違うかな」
「そなの?」
「で、良く見ると引きずっているのは人形じゃなくて、肉塊になるまで引きずられた子供らしい」
「え~、でもおかしくない?」
「何が?」
「長身の女性だったら高さ的に浮いちゃうから子供なんか引きずれなくない?」
「そこまで高くはないだろ…何センチを想像してるんだよ」
「八尺位?」
「いやまあ、確かに格好は八尺様とも似てるけどさ…」
「引きずってる分、遅いんでしょ?」
「速さに関する話は少ないからわかんないけど、『速い』って噂は聞かないね」
「何かさ~、他の都市伝説のキャラと少しずつ被ってるからイマイチ魅力感じないんだよね」
「そう、かもねえ」
「知名度も多分イマイチでしょ?…あ、これ見て」
「何?」
「通販サイトで『ひきこさん』を検索したら結構な数の粉『ひき』機械が引っかかったよ!」
「これはひどい」