表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/37

024 前と一緒かリビルドするか

小説家になろうの仕様のせいで数字を綺麗に並べられないので(勝手に位置調整されるわ半角スペースが投稿後に消滅するわで)スキルの表記方法を《こんなかんじ:32》に変えてみました。

ガッタガタの数字って読みにくいですよね、おのれなろう。

 前作のエンドコンテンツ、原初の竜インシュピータをついに倒した。


 まではよかったんだけど、今作ではチュートリアルボスだったんだよね。

 まぁ、前作のボスが最初のステージで出てくるっていうのはよくある事だ。ウイルス満載のアンドロイドとかはよく生首で復活してたしね。いや、あれはゲームのジャンルが違うけど。


 わたしの未練は原初の竜を倒せなかった事だと思ってたけど、本当はこのゲームをクリアできなかった事だった。

 未練がひとつとは限らないから、もしかしたらわたしが気がついてないだけで他にもあるかもしれないけど、とりあえずの目標はゲームクリアってことで。早速わたしは解放された新エリア、そして新エイジのひとつへ。


「いつ旅立つんですかマスター」

「んー、もうちょっと」


 向かっては居なかった。

 前に火事の映像を見ていた丘で現状を確認中。

 前作では複数の時代、つまりエイジと、その時代ごとに多くのエリアが用意されていた。

 エイジ間の移動には特殊なアイテムが必要だったけど、PEVRでは一つのエイジに他のエイジも纏めて統合されたので歩いていけるはず。


 なんだけどねぇ。


「何が不満なんですかマスター。ボスドロップもちゃんと手に入ってましたよね」

「まぁね~。今は使えないけどさ」


 ボスドロップは武器や防具、スクロールなんかではなく、素材アイテムの類いだった。

 たぶんレアアイテムが作れるんだろうけど、現状では利用方法不明。ゲームが始まったばっかりで生産系プレイヤーのスキルレベルも上がってないから、それは仕方ない。

 わたしが行動を開始してないのはそれとは別の理由がある。


「スキル構成、どうしようかなってさ」

「? 前作と変えるんですか?」

「んー、うん。それもありなのかなぁって」


 前作のわたしは、くどいようだが効率無視の構成(ネタビルド)だった。

 前作はVRとなった今作とは違うところが多かったから、あくまでも別のゲームの話になるけれど、その時のスキル構成はこんな感じ。


【スキル:850/850】

《生命力:47.8》

《知能:51.8》

《持久力:37.3》

《精神力:100》

《変化:79.4》

《調教:84.7》

《回復魔法:85.8》

《強化魔法:86》

《召喚魔法:98.9》

《魔力運用:48》

《邪法:90》

《統率:40》


 前作ではスキルは全てプレイヤーの能力に作用するもので、PEVRでいうアクティブスキルはテクニックという別枠だった。

 スキルは合計レベルの上限値が850と決まっていたから中途半端な数値になっているものも多い。

 テクニックの発動率がねぇ、スキルの小数点以下まで参照して決定されてたから。使いたいテクニックを100%発動できるように調整するとこんな事になっちゃったんだよ。


「あ、今作ではアクティブスキルの発動率は100%ですよ。テクニックを廃止して仕様が変わってるので。変わりにアクティブスキルや関連するパッシブスキルのレベルが上がると性能が向上します」

「あー、そういえばパッシブスキルに比べてアクティブスキルのレベルが上がりにくいんだけど、どういう仕様?」

「PEVRではパッシブスキルの個別上限は100、アクティブスキルは10です」

「10!?」


 10が最大なら、そりゃ上がりにくいわけだ。

 どっちかって言うとMMORPGよりTRPGのスキルレベルみたいだなぁ。


「それで、前のスキル構成だと問題があるんですか? 今作ではパッシブスキルの合計上限は条件を果たすまで850のままですが、アクティブスキルの取得上限は特にありませんけど」

「前の構成だと、筋力が無いから武器防具が装備できないし、アイテムの重量もキツいから常時重量軽減のバフかけないと動けない」

「……あ」

「自然回復がないからほっといたらHPもMPもSTも回復しない」

「そう、ですね」

「極めつけは」

「前作の記録を参照しました。取引がないので他のプレイヤーとアイテムを交換すらできない、ですね」


 そう、他のプレイヤーさんから取引スキルのテクニック、トレードを使ってもらわないとアイテムの交換すらできなかった。

 今作ではテクニックが廃止され、トレードはスキル枠からも外されて誰でも使えるようになったからそこは問題ないんだけど。

 覚えられるスキルの上限が増えたからって適当にやっていたらスキルのレベルは上がらない。


 昔のわたしならともかく、いまのわたしは人間じゃなくて幽霊だ。

 そして幽霊と言うのは、未練に縛られている。わたしはとにかくこのゲームをクリアしたい。クリアしなきゃ気がすまない。だからそのためにスキル構成を考えないといけないんだけど、だからって戦闘系スキルだけにはしたくない。だってそんなの、わたしは楽しめない!


「我儘ですねマスター」

「話のわかる幽霊だったらとっくに成仏してるからね!!」

「ごもっともです。では優先順位を決めてみてはどうでしょう? まず調教は必須ですよね」


 うーん、そうだなぁ。

 今回は魔法じゃなくてせっかく上がってる回避や曲芸をメインにした、他のゲームでいうところのAGI型みたいなのもいいと思うんだけど。


「前と同じ戦法使うなら、邪法もっと上げないとなぁ。召喚もほしいし」

「前の戦法……ってまさか」

「セルフデストラクトからのコープスエクスプロージョン」


 文字通りペットを自爆(セルフデストラクト)させた上に死体(コープス)爆破(エクスプロージョン)する戦法である。

 ちなみに何度も自爆させるためにHPの上限を上げたり自動回復するバフもかけておくのを忘れちゃいけない。何ならちゃんと回復系スキルも使ってギリギリまで死なないようにする。そして死んでも爆発させまくる。


 ペットが酷い目に遭う代わりに魔法に使う触媒がいらない強力な範囲魔法だったんだよね。

 このゲームは魔法系のスキルの使用時はMP以外に対応した触媒も必要になる。ちなみにサクリファイスハートの触媒もペット。……うん、酷いというか非道なスキルだ。


わたしたち(ペット)に使うのはやめてくださいね!?」

「……つまり今回もあるんだあのスキル」

「やめてくださいね!?」

「わかった、わかったから肩掴まないで、揺らさないで! ていうかまだ覚えてないし! ち、ちなみに召喚獣は」

「あっちは簡易AIなので人格なしです」


 よかった、召喚獣は基本的に使い捨てのコマだから、高度なAI入ってたらどうしようかと。

 そういう事なら、サクリファイスハートを有効利用するためにもやっぱり召喚は欲しいなぁ。


「とりあえず召喚。あとは投擲と曲芸を」

「最優先はパッシブスキルの調教と、それを参照して使うアクティブスキルのアニマルニーリングですよね」

「あー、動物系のテイム確率上げるやつね。でもペットのレベルは調教なくても上げられるし、クルーア育てれば別に」

「だから! グリ吉さんと彦左衛門さん早く見つけてあげてください! 狩られちゃったらどうするんですか!」

「……あ」


 前作でわたしがメインに育てていたペットは三体。

 ホムンクルスのクルーア。

 グリズリーのグリ吉。

 グリフォンの彦左衛門。

 他にもワニとか巨人とか色々持ってたけど、なんだかんだでよく出してたのは、最初期にテイムしたこの三体だ。いや、クルーアはレアガチャの景品だったけどね?


 前作の記録を持っているクルーアにとっては、やっぱり大事な仲間なんだろう。

 もちろん、わたしにとっても。


「そうですよ。過去の記録にはあっても、わたしの記憶にはいないんです。早くはじめましてって挨拶させてください」

「そうだよね、久しぶりに会いたい、かな」


 となると、どうなる?

 攻撃手段はペットに任せて、回避や曲芸で避けつつ後方支援。いや、回避できるなら近くで一緒に戦ってもいい?

 そもそも今作で増えた隠しスキルってなにがあるんだろう。

 なんか狼のプレイヤーもいたし、隠し種族もあるっぽいんだよなぁ。


「あああ~、もう、情報が足りない! 足りないけど、まずはグリ吉かな」

「そうですね。グリフォンは大分標高が高い場所にいるので、現状のプレイヤーさんたちでは中々出会えないと思いますし」

「グリズリーは森や高原にいるから、下手したら再会する前に倒されかねない」


 引き継ぎペットは名前がついているネームドだから運がよければ見逃してもらえるけど、このゲームには名前のついているユニークモンスターが普通に存在している。名前の有無ではペットだったかどうかわからない。それをわかっててペットを野に放った運営の性格の悪さよ。


「グリ吉、どこにいると思う?」


 クルーアは街中に居た。

 けれどそれは、ガチャの景品という特殊ペットだったからだ。街中には通常、エネミーはPOP(ポップ)しない。


「PEVRではエネミーにも最低限のAIが搭載されていて自立しています。特に前作ペットにはサポートAIほどではないですが、そこそこ優秀なAIが積まれているはずなので一箇所に留まっている保障はありませんけど、基本的にはテイムした場所にいるはずです」

「……マップの形状、大分変わってるじゃん」


 前作は様々な時代行き来して、それぞれに別のマップがあった。

 けれどPEVRではインシュピータを倒したことでその別の時代、つまりエイジが全て同じマップに詰め込まれている。それによって、例えばこの時代には森があった場所に違う時代の建造物が建っていたりする、らしい。この辺は掲示板で他のプレイヤーが話しているのを見て知った。


「実はマップごとの時代設定はそのエイジに準拠していますが、座標そのものは変わらないんですよ」

「つまり、前作でテイムした座標にいけばいるはずってこと?」

「そうです」


 なるほど。

 グリ吉をテイムしたのは、たしか。


「ストレンジフォレストか。ってことは次の目的地は」


 マップを開き、その場所を確認する。

 あはは、マジか。

 マジか、今はこの時代がこのエリアに統合されてるのか。


 本来であればゲームの基本マップであるベーシックエイジから遥か未来。

 大国が乱立し、人類同士が争いあう乱世。


 前作のPVP専用エリア。


「「ハルマゲドンエイジ」」


 本来ストレンジフォレストがあった場所には、その名前が記されていた。

ほぼ二年ぶりに某ゲームにログインしてみたんですが、いつのまにかサモンゾンビドラゴンとか増えてたんですね。僕の最強戦力はオルタードモンスターだったんですが、家エイジで売ってたので買ってみました。

昔やってたゲームにログインすると里帰りしたって気持ちになりますね。あと何年里帰りできるかな(サービス継続期間的に)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたくし悪役令嬢になりましたわ……いや、男なんだけど!
https://ncode.syosetu.com/n9082em/


短編


俺の彼女が何週してもBADENDに直行する
https://ncode.syosetu.com/n4707ey/


小説家になろう 勝手にランキング

 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ