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クラウン・フォビア~幽霊少女の死んでからはじめるVRMMO~  作者: 稲葉めと
一章 幽霊少女の死んでからはじめるVRMMO
1/37

001 プロローグ

息抜きに新作はじめてみました。

作者はMMOガチ勢ではないのでまったり楽しんでいただけたらと思います。

プロローグだけ短め、基本5000文字前後の予定。

 眼前に浮かぶウィンドウを眺めながら、わたしは思わず呟いた。


「なんか、ゲーム始める前よりひどいことになってるなぁ」

「凄惨ですねぇ」


 電子的に再現された青い空、緑の草原のど真ん中で、このゲームにおけるペットと二人、首をかしげる。


「でも、いまのところ成仏しそうにないしなぁ」

「すごいですよねぇ、実質不老不死ですよマスター」


 不死というのは違うんじゃないかな、もう死んでるし。


 美少女の姿をしたペットは狼のような耳を頭頂部、ではなく、人の耳がある位置に生やし、その尻尾もまた狼のよう、ではなく、長い猿のような尻尾だ。感情表現豊かにぐるんぐるん動いている。

 毛の色は水色で、毛先へ近づくにつれて白いグラデーションがかかっている。


「うん、かわいい。再会するために駆けずり回った甲斐がある」

「照れます。というかログインしていなかったら普通に目が覚めた可能性はあるんでしょうか?」

「あの状態で生きてるとは、ちょっと考えたくないかな……」


 そう言って自分の部屋、だったはずの場所が映し出されたウィンドウを眺める。

 VRゲームにログインしている間現実が無防備というのはまずい、というのは長時間プレイをするゲーマーの間では常識らしく、はじめてVRゲームをプレイするわたしも部屋には対応の監視カメラを設置、ゲーム中でもリアルを確認できるようにしていた。


 もっとも、このカメラを設定した後にさくっと死んだわけだが。

 とにかくそのウィンドウの中心には炭にしかみえない人型の何かが写っていた。

 そう、このVRゲーム『Paradigm(パラダイム) Eage(エイジ) VR』をプレイしている、いや、プレイしたかったわたしだ。みなさいよこの炭火焼ハンバーグでも焼けそうな真っ黒こげを。これで生きてるとかありえるのだろうか? いやありえないだろう。


「「あ」」


 その時崩落していた屋根の一部がくずれ、炭火焼わたしバーグを粉々にした。

 炭なので血とか内臓とかグロテスクな描写はない。


「死んだね」

「死にましたね、間違いなく」

「元々死んでたのかどうかは気になるけど」

「もう悩む必要もなくなりましたね」

「最後の懸念はこのゲームの鯖がどれだけ持つか、だけど」


 このゲームの中で無敵だったとしても、所詮はゲームである。

 鯖─ゲームサーバー─が壊れたらおじゃんだ。


「なんでも核シェルター内で何重にもバックアップをとってるらしいですよ」

「まじ?」

「マジです。そもそも、ネットゲームというのは正確にはみんなで鯖の中に入っているわけじゃありません。鯖のなかで計算されたデータをそれぞれの端末で再現しているんです。だからマスターのVR端末が炭化していた時点で鯖が無事かどうかはあんまり関係ないと思います」

「まじ?」

「マジです」


 冷静になった頭で、ますますわたしが遊んでいられる理由がわからなくなってきた。

 ただまぁ、ひとつだけ間違いないことがある。


「もっかい聞くけど、ここ、異世界とかいうオチはないんだよね?」

「ありませんよ。だってわたし、NPCですもん」


 きょとんと、何言ってんだこいつという感じで言い放ったペットに嘆息し、わたしはあの日を振り返る。

 そう、わたしが喜び勇んでこのゲームへログインし、この非日常的な日常が始まった日のことを。


「まだ昨日のことですよね」

「モノローグにツッコミ入れないで!?」


 主人はペットへと契約システムを介して脳内指示を飛ばせるのだVRってすごい!


このあとすぐに2話を投稿しますので、よろしければそちらもお願いします。

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