表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引きこもりだった少女は廃人ゲーマーでした。  作者: 雰音 憂李


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/6

1_始まりの日

2025年4月4日


 私、小坂瑠奈は憂鬱な思いでその日を迎えた。

 今日は高校の入学式である。それと同時に新作VRMMORPG『Ragnasia Online』の正式サービス開始日でもあった。

 私ほその事実に不満を隠せず、

「……なんで今日が入学式なのよ。来週の月曜からでいいじゃないの。今日が休みだったらずっと遊んでるのに……」

 と家の中でずっとぼやいていた。


「とりあえず、今日だけでも寝ないようにしないとなぁ……」

 瑠奈は眠そうな声でそう呟きながら高校へと向かっていった。


******


 結局、高校の入学式では寝てしまったと思われる。

 断定できないのは、始まった瞬間から終わる直前までの間の記憶が一切ないからだった。

「小坂さん、早く起きて」

 と言われて起きたので、寝ていたのはほとんど間違いないのだろうが。


 その後の行事は無理矢理にでも起きていた。


「それじゃ今日はここまで、月曜日は始業式だぞ」

 担任の帰りの挨拶を聞いた私は、少しでも早く家に帰りたいという一心の元、少し駆け足で家に帰った。


「さて、と。とりあえずスキルの詳細な情報でも見よ。キャラ作成の方に時間かけたいし」

 私は入試や引っ越しの関係上βテストに参加出来なかった上、この直前までほとんどの情報を見る時間がなかった。

「……と言っても、ほとんどないんだっけ。運営側が『情報開示の多くは始まる直前の生放送にて発表する』とか言ってて。まぁそれでも、βの知識は多少あってもいいかな。そこまで大きく変えないだろうし」


 Ragnasia Onlineは今まで発売されたVRMMORPGの中でも、最も現実の五感が再現されているという。

 しかし正式サービスの紹介どころか、何千のうちの数十個のスキルくらいしか今のところ情報がないらしい。公開されているスキルの中でも、武器スキルはほとんど出しているそうだが、他のスキル、特に魔術系のスキルはほとんど発表されていない。属性は火・水・風・土・光・闇の6属性が明示されるだけで、他の情報は発表されていない。

 どうやらほとんどの情報が今日の生放送にて発表されるみたいだ。

「武器は刀剣から刀をメインとするとして、サブは……とりあえずいいや。魔術系は後回しにして、生産系もとりあえず置いとこう」


 まだ見ぬ世界のキャラクター作成のことばかりを考えているうちに、12時も過ぎようとしていた。


「……おっと、もうすぐね」

 そうして生放送のされるページを開いたのだが、まだ始まっていないようだった。パソコンの画面には、

『しばらくお待ちください』

とのたった1行の無機質なメッセージが書かれていた。

「早くしてよね……運営の方にも理由があるんだろうけども」

そう呟いた瞬間、見ていた画面の方から声が聞こえた。

『どうも、βテスター並びに新規プレイヤーの皆様。Ragnasia Onlineの運営チームの大森と申します。

今回はRagnasia Onlineのシステムなどについてお話ししたいと思います。

 まず、このゲームの世界には幾つかの街があり、その中でも初期地点はこの大陸の東の方にある街、リンシアの街であります。

 また、この世界は人や物資、物流や経済なども基本的には現実の世の中のようになっております。

 街を発見し、街道を整備していくことは街の人々だけでなく、今この生放送を見ているプレイヤーの皆様にも恩恵がある、ということです。

 また、βテスターの皆様はご存知でしょうが、このゲーム内での時間は現実の2倍程になっております。おおよその日付の変わり目は、午前と午後の0時でございます。』

 大森という男が一通り喋り終わった後はただひたすら細かいシステムやスキルの紹介などがされただけであった。そして、

『15時より開放される、この世界をお楽しみください』

 の言葉で生放送は締めくくられた。


「随分と現実に寄せてるわね。たった数年で完成させたとはとても思えないよ」

 というのはこの生放送を聞いた瑠奈の正直な感想であった。


******


 15時、このゲームの為だけに買ったギアを装着しログインすると、瑠奈は真っ暗な世界にいた。すると、目の前から起動し、発光している画面らしきものがあった。そしてそこからアナウンスが流れた。

『これより、当ゲームにて扱われるアバターの作成を行います。画面の指示に従って作成を行ってください』

 このアナウンスを聞いて、

「随分と不親切ね、もう少し何かできなかったのかしら。例えば、専用のNPCを置くとかさ」

 と、不満をあらわにした。


「髪はシルバーグレー、眼の色は別にいいとして、身長…………身長!?」

 その欄に瑠奈は驚きを隠せなかった。普通は身長というのは弄れないものなのだが、どうやらこのゲームは弄れるみたいである。彼女は昔の方が動きやすかったという記憶があるので、

「下限は-5㎝か……まだマシかな」

 と早速操作をし、それによってすぐに身長が5㎝程ちいさくなる。だが、少し動いてみて、

「うん、まぁ……うん。合わないよね」

 と言って元の身長に戻す。どうやら昔と今では感覚が微妙に違うみたいだった。


『これにて、当ゲームにて扱われるアバターの作成を終了致します。運営側に何か質問があるようでしたら、ゲームメニューのGMコールよりどうぞ。


ようこそ、Ragnasia Onlineの大地、カルドボルグ大陸へ』


 その言葉と共に瑠奈/Yomiは現実世界以外の大地を初めて踏むことになった。




Yomi(小坂瑠奈)

Lv.1


HP 20/20

MP 10/10


ATK 8

DEF 8

STR 8

AGI 10

INT 8

DEX 8



※プレイヤーネームは瑠奈が横文字が好きなだけです。

 次回以降はYomi=ヨミとさせていただきます。


読んでいただき、ありがとうございます。

ご感想、ご意見などがあれば宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ