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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

太陽のリング

男女の痴話げんかを、結婚指輪を通して描きました。

雪の結晶を模したダイヤモンドが気に入って、これにした。

女は今日、その結婚指輪を捨てようとしている。


ものに罪はない。しかし、私はこれを罪あるものにしてしまう。

そうなる前に捨てよう。そう思ったのだった。


今朝、あの人を殺した。

一丁前に叫び声をあげ、赤い血を流したことが腹立たしかった。

私も死のうかと思ったがやめた。もし同じくらい痛くて叫んで、同じ色の血が出たらどうしようと思ったからだ。


PM3時。

いつもこの時間になると、お茶が欲しくなる。今日はコーヒーにしようか。

コーヒーは懐が深い。甘いものの気分の時も、苦いものの気分の時も、どちらもコーヒーなのだ。私はこれまでに何杯コーヒーを飲み、これから何杯飲むのだろう。


時間は進み、夕食の時間だ。

今日はただいまもおかえりもなく、テーブルの向こうに見えるのは向日葵によく似た花だけだ。


女は指輪を外した。

女の薬指には、指輪の日焼け跡が遺っていて、女は泣いた。


そういえば涙は血液と成分が同じらしい。

彼女の耳に、一斉に蝉爆弾が押し寄せた。


おわり

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