今年の夏はいつになったら始まるんだ?
オリエンテーリング編が終わって新章突入です。
夏休み!
ビバ夏休み!
・・・の前に定期試験があるのが中学生の辛いところですね。
さてさて、突然ですが、中学生活にあるイベント。何が思いつきますかね。
まず思いつくのが、最大にして最高、最強のイベント。修学旅行。これなくして中学生活は語れない。俺たちはどこに行くんだろう?例年は青森だって聞いてはいる。けど、このイベントは三年生になってから。一年生の俺達にはまだまだ先の話だ。
次いで毎年恒例の学校祭。二日がかりの大イベント。三年生に便宜が図られることが多いみたいだけど、これは仕方がない。そして、毎年ものすごく盛り上がるイベントだと聞く。小学校の時にはこういうイベントがなかったからイメージすらわかない。模擬店っていうのが人気みたいでお店の真似事?そんなことをするんだろうか。三年生ともなるとかなり本格的な店があるっていう話だ。
それから、年に三回ある長期休み。夏休みと冬休み、春休みはまぁ、一週間くらいだけど、これはこれで良いものだ。週に一日しか休みがないから長い休みなんてどう過ごしていいものだか。ついでに言うと、北海道の冬休みは他の地域と比べると長いようだ。これってやっぱり冬が寒いからなのかなぁ。でも、俺としてはもっと長くてもいいと思う。そう、あと一か月くらい。あれ?でもこれってイベントなのか?
といった具合に、他にも多くのイベントがあって小さいイベントを含めたら、ほぼ毎月何かがあるのが中学生活だ。そして、イベントと言っても何も楽しいことばかりでもない。
そう、いわゆる定期試験ってやつ。コイツは厄介なことに、年に数回もある。中学生という立場上、試験という最凶のイベントとは切っても切れない関係にある。逃げることは許されない。敵前逃亡は重罪で死刑になることもあるとか。まぁ、それは冗談として、敵前逃亡罪のペナルティーは、後の通知表で痛い目を見ることだろう。そうなると将来の高校入試にも大きな影響を与えるから逃げるわけにもいかない。こんなイベントを楽しみにしているのは、生粋の変態でマゾ野郎だ。うん、きっとそうに違いない。もちろん、俺も楽しみになんかしてない。当然だ。
そして今は定期試験の一週間前。試験期間中というこの時期から部活動や委員会活動が一切禁止となり試験ムード一色になっていく。そして、試験直前になると突然に勉強に目覚める奴らが増えてくる。それはうちのクラスも例外ではないようだ。まぁ、そういうやつに限って、普段全く勉強しているようには見えない奴らばかりなのは気のせいだろうか。
そんなくだらないことを考えながら、ふと周りを見渡してみると、いつもは昼休みになるとこぞって体育館にバスケをしに行く男子たちも机にかじりついている。なんてことを言っている俺もバスケにいくメンツの一人だ。けど、試験期間中は昼休みの体育館使用も禁止されてしまっている。ということで昼休みはつまらないことこの上ない。
自慢じゃないが俺は試験が嫌いだ。別に勉強が嫌いなわけじゃない。もちろん好きっていうわけではないんだけど、特に興味もない科目は本当にめんどくさい。それだけだ。それに、もう一つ理解できないものがある。それは、なんで試験のために勉強するのかってこと。わざわざ試験のために勉強したってメリットなんかないだろう。だいたい、定期試験なんてもんは普段の授業さえ聞いていれば何とかなるもんだ。今までの積み重ねで何とか乗り切るのが定期試験ってもんじゃないのか?入試ならいざ知らず・・・。
「おぉい、竹中っ。ちょっと教えてくれよぉ。」
杉田まで目覚めたのか。というかあいつにわからないとこなんかあるのか?学年一と呼び声が高い天才さまが。
「なんだよ?わからないことって。」
「いや、実はさ。テスト範囲がわからん。」
「お、それは俺もわからんべさ。」
杉田の発言に便乗するかのようにやってきたのは、オリエンテーリングで大いにやらかした足草だ。
「お、お前ら・・・。試験はもうすぐなのに大丈夫か?まぁ、杉田はともかく、足草はもう少し頑張った方がいいんじゃねーでしょうかね。」
試験範囲なんて知っていても知らなくても関係なさそうな二人に同じ質問をされるとは驚きだ。もちろん、杉田と足草ではベクトルの向きが完全に真逆なのだが。
「だからさ、教えてくれっていってるっしょ。」
本当に足草の性格は。おめでたいとしか言いようがないな。
「あー、はいはい。ちょっと待ってくれな。」
えっと、確かカバンの中にテスト範囲表があったはず・・・と、これこれ。
「はいよ。これだよ。」
「サンキュー。んじゃさっそく。全部教えてくれるべか?」
おいおい、足草。本気で言ってるのかよ。せめて範囲表を見てから言えよ。
「全部って。テスト範囲じゃなくて内容のことか?」
さすがの杉田も驚きを隠せないようだ。
「そりゃ、そうでしょ。」
どういうつもりだよ。ありえないだろう?どうしてそう、自信満々なんだ?
「全部は無理だって。そりゃ、少しは教えられるけどさ。人間諦めも肝心だ。」
「あれ?竹中塾開講するの?」
おや、東山さんではないですか。それにしても、竹中塾ってのはなんだよ。
「良かったら私も教えてほしいなぁ。数学でちょっとわからないところがあるんだけど。」
数学かぁ。どんな内容のとこなんだろう。あんまり難しいとこじゃなかったらいいんだけどなぁ。
「よしっ、足草。俺が教えてやっからあっち行くぞー。」
「いや、俺は竹中に・・・・」
む、杉田が足草の首根っこを捕まえて引っ張って連れて行った。なんだ?その意味深な笑みは?なんだその親指はっ。親指を立てるなっ。なんなんだ一体。
「まぁ、いいか。で?わからないとこってどこ?」
東山さんはそんなに勉強ができないというイメージがない。宿題もちゃんとやってきてるし。そんなことより、二人きりにされると少し緊張する。
「う、うん。あ、あのね。文字式の計算なんだけど。」
東山さんはノートを開きながら話してくる。なんだか、いつもと感じが違う気がするな。で文字式だっけ。そんなに難しいところじゃないと思うけどなぁ。
「あぁ、うんうん。同じ文字の計算は大丈夫だよね?展開とかは大丈夫?」
「うん、そのあたりは大丈夫。ほら、こういう面積を文字式で表すやつなんだけど。」
ノートに書かれたところを指さしながら聞いてくる。
「なるほどね~。えっと、こういうのはさ・・・・・ってやればいいんだよ。」
「そっかぁ。いきなり文字で考えようとするからダメなのかなぁ。」
その後も、数学以外の教科についても聞かれた。理科とか。う~ん。なんか違和感があるんだよなぁ。
「大体、こんな感じで大丈夫かな?」
教えていて思ったけど、本当に東山さんはわからなかったのかな?俺の気のせいかもしれないけど、本当は全部わかってたんじゃないかな。なんか、そんな気がする。
「うん、ありがと。また、教えてくれる?」
けど、こんな笑顔で言われて拒否できるやつがいるだろうか。いやいない。そう言えば、いつの間にか緊張もほぐれている。
「いいよ。暇してる時ならね。」
それにしても、教えるってことは自分の勉強にもなっていいのかもしれない。
「竹中くんって、教えるの上手だよね。将来は先生とかになったらいいんじゃない?」
勘弁してくれ。俺みたいなやつが教師になったら破滅的な子供が増えちまうだろう。
「俺が先生?無理だって、向いてないよ。」
「そうかなぁ。私はすごく向いてると思うけど。」
う~ん、そうかなぁ。じゃ、将来の選択肢の一つにでも加えておこうか。
「お、終わったかぁ、竹中。」
杉田も終わったのか?
まさか、足草に教えてたわけじゃないよな?
「あぁ、昼休みも終わるしなぁ。まさかとは思うが、足草に教えてたんか?」
「なわけないでしょ。ちょっと説明始めたら『あー、もーいーわー』だとさ。」
さすがは足草。もちろん褒めてなんかいない。何と言ったらいいのか、そう、俺が言うのもなんだけど、あいつの将来が心配だ。
「あいつにはかなう気がしないな。」
「あぁ、違う意味でな。」
杉田も俺と同じような考えを持ってるんだろう。互いに変な疲労感を感じていた。
そして五時間目開始の予鈴が鳴った。
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定期試験初日。
初めて定期試験を受ける俺たち一年生は多少緊張した面持ちで席に座っている。そして俺はというと、杉田とどうしようもないくだらない話に花を咲かせていた。
「竹中くんたちは余裕そうだねぇ。」
そう話しかけてきたのは東山さん。最近は彼女と話をすることが多くなった気がする。それよりも、杉田が栗林さんととあまり話していないような気がするほうが、俺にとって不思議でたまらない。
「余裕というか、今更勉強してもさぁ?しょうがないでしょ?」
おいおい、杉田。その発言は周りのみんなを敵に回すぞ?ほら見ろ、周囲からの視線が痛いぞ?気が付いてないのか?
「あららぁ、さすがの発言だね。竹中くんはどうなの?」
「まぁ、余裕ってわけじゃないけど、何とかなるかなとは思ってるよ。東山さんはどうなのさ?」
「え?私?私はぁ・・・そう、ちょっと聞きたいとこがあったの。」
「了解っ、じゃ、竹中、頑張ってなぁ。」
「あ、おい。ったく。まぁいいけどさ。それで?聞きたいことって?」
「うん、あのね?今日の理科なんだけど・・・」
「うんうん。あぁ、そこはね・・・」
ここが試験に出るといいんだけどね。
といった具合に、なんだかんだ言っても時間だけは誰にも平等に過ぎ去っていく。
そういうわけで、めんどうな定期試験が終わった。あとは適当に過ごしていれば夏休みになる。それにしても、なぜに期末試験のあとに一学期が一月近くもも残っているのか。これじゃ全く期末じゃない。どうせなら、期末ちょっと前試験とかにしたらいいのに。いや、これじゃかっこ悪いな。
そして、この夏休み前の期間もイベントがある。
それは中体連だ。もちろん、何かが省略されている名称なんだろう。中学体育なんとかそんな感じなんだろうけど、まぁ、そのあたりは別にどうでもいいかな。とにかく、中体連は体育系部活参加者の一大イベント。特に三年生にとっては最後の大きな大会になるからいつも以上に熱が入っている。
この中体連では大会参加中に学校を休んでも公欠扱いされる。もちろん、大会参加が絶対条件ではある。そんなことでクラスの何人かが入れ替わり立ち代わり欠席する。帰宅部の俺が応援に行くだけでも公欠にしてくれるなら、毎日でも誰かの応援に行くんだけどな。
思い返すと杉田もいない時期があったな。あいつは何か部活に入ってたんだっけ?前に聞いたような気がするけど覚えてないなぁ。卓球だっけ?野球?う~~ん。今度もう一回聞いてみよう。
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うちの学校では試験終了後に総合成績が貼り出されるっていうことを聞いた。結果はある程度わかってはいるのだけどさっそく見に行ってみよう。そう思って教室から廊下に出た時に声をかけられた。
「あ、竹中くん。総合順位、張り出されてるよ?見に行こう?」
東山さん。今日は髪型がいつもと違うような気がする。この髪型もいい感じ。
「そうだね、見に行こうか。」
廊下を歩いていくと張り出されている場所はすぐにわかった。人だかりができているからだ。
自分としてはまずまずの出来だったと思う。しかし、杉田のほうが若干良かったような気がするのが悔しいが、今さらどうしようもない。
さてさて、どういう結果になっているんだ?
一学期末試験 総合順位
一.稚内貴志 四九五
二.杉田翔 四九二
三.釧路沙織 四八九
四.竹中夕人 四八六
五.帯広由美子 四六五
六.室蘭大輔 四六三
七.長万部嗣 四六二
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二一六.岩内篤史 一五〇
二一七.小暮茜 一四九
二一八.足草次郎 九六
以上
ぶっちぎりだな。足草。見事すぎる。あそこまでとは思ってなかったが、ある意味、尊敬に値するぜ。なぜにあんなことになってるんだか。中学に赤点制度がなかったことに感謝すべきだぜ。
そして、杉田の奴は二位か。さすがだと言っておくか。やつには次回リベンジするしかないな。で、東山さんは・・・
「せっかく竹中くんが教えてくれたのに。ごめんね。」
申し訳なさそうに東山さんが話しかけてきた。
「東山さん、どうだったの?」
「三八十点で八十七位だった。」
うーん、可もなく不可もなくって感じかな。平均点が三三十点くらいだったし。でも、悲観する点数じゃないと思うな。
「いやいや、次、頑張ればいいんじゃない?」
「竹中くんはすごいね。四位だもん。」
「それは、当然、俺にも言ってるんですよね?」
杉田が突然後ろから話しかけてきた。
「おお、二位の杉田ではないか。一位は俺のものだとか言ってなかったか?。」
「いや、しくじりましたわ。ちょいとミスりましてな。」
杉田はかなり自信があったようで、試験前から『学年一位は俺のものだ。』と豪語していた。けど、実際あの点数はやばいだろ?二位とはいっても平均九八点越え。一位の奴がすごすぎるだけだ。
しかし、そうは言っても杉田に負けたのはやっぱりちょっとだけ悔しい。俺だってかなりいい点数のはずなんだけど、こいつらのせいでまったくうれしいという気持ちにならない。
「でも、四位までほとんど点差ないよね。四天王的な感じ?」
いやいや、それは何の設定ですか。四天王とかって完全に魔王の配下っぽいから。
「まぁ、終わったことなんてどうでもいいって。それよりさ、今度どっかに遊びに行こうよ。」
こういう時の杉田のノリはなかなか真似できないな。
「お、いいねぇ、杉田。夏休みに時間作ってみんなで行こうか。」
「うん、行こう行こうっ。」
驚くほどに東山さんの笑顔が輝いている。
「問題はどこに行くかだね。東山さんはどこに行きたいさ?」
「そうねぇ。夏と言えば山か海だよね。」
山か海か。思い切り対極だな。山と海じゃなくてよかった。どちらにしても札幌に海はないからな。山かな。藻岩山か?まさか登山っていうわけじゃないだろうけど。
「じゃ、おいおい、そのことも考えようか。他にも一緒に行くやつ誘おうよ。」
どうせ遊びに行くなら大勢で言ったほうが楽しいよな、そう思っての言葉だった。
「あ、うん。そうだね・・・私は女子に声かけてみるね。男子の方はお願いね。」
東山さんはちょっと曇った顔でそう言うと小走りで去って行った。
「・・・はぁ、お前はバカだねェ。」
「バカとはなんだ。お前には負けたが四位だぞ。畜生めっ。」
「まぁ、お前だから仕方ないよな。お前に東山さんとの打ち合わせを任せるわっ。」
「おい、面倒を押し付けるなよ。」
「いいからいいから。」
よくわからないところもあるが、とにかく、退屈しない夏休みにはなりそうだ。
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「今年の夏はいつになったら始まるんだ?」
いったい何を言い出すのかと思ったら。終業式を明日に控え、大掃除の真っ最中に出る言葉か?大体、十分に暑いだろう。
「実際、もう夏だろ?昨日も25度くらいあったじゃないかよ。」
「え?あの程度の気温で夏?まだ春だと思ってた。そういえばもうすぐ夏休みとかいう話だもんな。」
やっぱり内地の人間にとって北海道は避暑地なのか?北海道の人間には十分に夏を感じられる気温になっていると思うんだが。
「そうか?北海道の夏はこんなもんだって。」
「だいたいさ。30度を超えないとか夏じゃないだろさ。」
「30度なんて簡単に超えてたまるかよ。道産子の活動限界だぞ?三〇度なんて気温は。」
北海道の気温は思ったより上がらない。夏は28度くらいが最高気温だ。
「群馬は35度くらいが普通だぞ?」
「やめてくれ。ほとんど体温と一緒じゃないか。」
「ちょっと~。漫才なんかやってないでさ。掃除しなさいよ~。」
女子にたしなめられた。別に漫才をやってるつもりもないんだけどな。
それにしても、毎日のように掃除されている教室を、こんなに掃除する必要があるのか?口を動かしていても手を動かしていれば問題ないだろうということで、適当にほうきを振り回す。お、なんか掃除も楽しいかもしれないぞ?思わずほうきとピンポン玉で野球をしたくなってくる。
「そういえば、夏休みの予定、決めたんかい?」
夏休みの予定?じぃちゃんちに行くとかの予定か?
「ほら、例のことだって。どっかに遊びに行こうって話あっただろ?まさか忘れてるのか?」
「いや、忘れてるわけじゃないけどさ。場所は一応考えてみたよ。」
「ほぅ。どこに行く予定なん?」
「子供の国に行って、まぁ、動物園でもいいかもね。あとは狸小路で買い物でもしてって感じでどうかな?」
「子供の国ってなんなん?」
「市内にある遊園地だよ。小さいけどな。」
「遊園地あるのか?知らなかったわ。で、狸小路ってのは?」
そうか、杉田は引っ越してきてから半年もたってないんだよな。知らなくても当然だよな。と思ったけど、狸小路はこの前行ったんじゃなかったっけ?
「狸小路はアーケード街だよ。紅屋とかあってさ。ちょっとした改造学生服買える店だよ。ここはこの前行ったんじゃないのかよ。」
「え、そうだっけ?あぁ、あそこか。あそこな!なんか面白そうだなっ。」
「こんな感じで結構適当なんだけど大丈夫かな?」
「さぁ?東山さんに話してみたら?」
「そりゃそうだね。あとで話してみるよ。」
放課後の廊下。といってもさっきから20分位しかたってない。夏休みの打ち合わせで集合という感じなんだけど、同じクラスなんだから教室でもよかったと思うんだけどな。
「杉田君から聞いたよ~。計画考えてくれたんだってね。」
東山さんの笑顔っていつ見ても輝いてるよな。
「簡単にだけどね、子どもの国か動物園に行って、狸小路で買い物なんてどうかなって。」
「楽しそうだね~。でも、私は動物園のほうが楽しそうな気がする。友ちゃんはどう?」
「私もそれでいいよ~。なんか楽しそうだしね~。」
やっぱり、女子は動物園とかのかわいい系がいいのかな。まぁ、喜んでくれて良かった。
「竹中にしては良い計画立てたよな?俺は海とか行きたいけどさ。」
海だって?そういう計画を立てるべきだったか。確かに海とかもいいねって言ってた記憶がある。そういう計画でもよかったか。けど、札幌から最寄りの海水浴場って小樽?朝里?あんまりよくわからないな。
「一日しかないし、海はちょっと。ね~、友ちゃん。」
「そうよねぇ。ちょっと遠いと思うなぁ。」
「・・・・水着姿が見たかったなぁ・・・」
杉田が小さな声で呟く・・・
そうそう、友ちゃんこと砂川友子は東山さんの親友。同じクラスでおっとりしたところがある女の子だ。髪の長さはみんなと同じで肩くらいまでの長さだ。小学校の時は腰まで長い髪の女子もいたんだけどなぁ。そんな砂川さんが杉田に対して冷たい目線を送っている。もしかして、俺の思ってた印象と違ってたかな。
「じ、じゃあさ、動物園いこっか。」
空気が怪しくなったら大変だ。
「で、いつにするさ?」
よかった。いつもの杉田に戻ってくれたみたいだな。これは結構楽しいイベントになるかもしれない。できるなら早めに行きたいなぁ。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
竹中と杉田の成績が明かされました。
なかなか優秀なようですね。しかも、ギャグもイケる二人。
竹中はイケメンではないと豪語しているので、まぁ、そんな感じなんでしょう。
杉田はファンクラブがあるらしいので、どのレベルなのか気になります。運動音痴だけど。
それよりも、東山さんと急接近な気配を感じますね。
夏休みイベントで更に距離が縮まるのでしょうか。




