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虹色ライラック  作者: 蛍石光
第3章 森を歩く男
12/27

最高の野外学習日和だね。

前回から場面が一気に変わります。

前回の続きが見たかったという方、ごめんなさい。

 早いものでもうすぐ六月だ。

 この時期は北海道で最も良い季節の一つだと思う。梅雨がないから晴れ間も多く、気温も上がりやすい。冬の長い北の大地にもようやく春、そして夏に向かっていく季節になるわけだ。


 それで俺たち、一年生はどうなのかというと、ある程度、友達同士の仲良しグループが出来上がってきており、そう大きな事件みたいなのは起こってはいなかったけど、様々な小さな衝突のようなことが起こったりしていると言った感じだ。

 俺はというと、委員会や様々なイベントに追われてしまい、それなりに忙しい日々を送っていた。今抱えている案件は、来週に開催される生徒総会に関することなのだけれど、俺らがやらなければいけないことはもうほとんどない。あとは、本番を待つのみというところだった。


 そして今は、六月初旬に行われる野外学習の件を学級会で進めている。


 「野外学習といっても日帰りなんだから、遠足と呼んでもよいのではないでしょうか?」


 学級会での開口一番、杉田が挙手と同時に起立してこう言い放った。けど、杉田の言うことも一理ある。目的地への移動はバスで、しかも片道一時間もかからない公園。それに泊りということでもない。はっきり言って、もっと遠くの面白いところに行きたいと思っているヤツがたくさんいるだろう。


 今回の野外学習は公園内でのオリエンテーリング。杉田の言うように遠足のようなものだが、オリエンテーリングということだから、仲間との協調性とかそう言ったものの訓練も兼ねているはずだ。でも地図の読み方なんてみんなわかるんだろうか?俺は読めないという自信があるぞ。きっとそこまでの難しさではないのだろうな、いや、そうであってくれないと困る。

 そして、もう一つの目的は、地元理解ということだ。今回オリエンテーリングを行う公園は、札幌市の南東部にある自然と一体化した大きな公園だ。散策路あり、登山道あり、小川ありと、ある程度何でもありな公園なのだ。ちなみに、運が良いとクマにも出会えるらしい。

 そんな立派な公園の名前は西岡公園。どうやらこの西岡公園は、その昔に陸軍によって建設されて、園内にある池は長年取水池として利用されてきたようだ。そして、この池にはあるものが出ると言われている。それは、幽霊だ。あくまで噂だが女性の霊が見えるとかなんとか。まぁ、こういった具合に広くて歴史も古い立派な公園なのだ。

 ・・・事前に藤原先生から話を聞いていたおかげだ。俺がこんなに詳しく知っているわけがないだろう?


「杉田君が言うこともわかるけどね。とりあえず、進めますよ?で、今回の野外学習は四人ずつの班になってもらってオリエンテーリングを協力して行ってもらいます。公園内に設置された六個のチェックポイントを回ってゴールするというものです。」


 前もって内容を把握するというのは苦手じゃないけど、間違えないように自分で要点をまとめた紙を見ながら話をすすめる。


「それで、この野外学習の後には簡単な感想文を書いて提出してもらうことになっています。それでは、班決めの方を進めていきましょう。基本的に男女混合班でお願いしますね。」


 玉置さんが続けて説明するが、すでにクラス内は誰と一緒がいいとか、誰と一緒は嫌だとかで大騒ぎだ。


「それと僕か玉置さんは、クラスの最終班として出発します。なので、僕か玉置さんの班はその覚悟をしといてください。ちなみに、各班が出発してから次の班が出発するまでの時間は五分です。ゴールするまでの時間も評価に入るそうなので、ダラダラしてると大変なことになるかもです。」


 騒がしいさなか、俺たちの話を聞いていいるのは数人というところ。


「それから、今回の野外学習は人数の関係で一組から三組までです。四組から六組までは次の日の決行になっています。前半と後半ではチェックポイントが違うので、後半クラスにヒントは出せませんからあしからず。」


 玉置さんも説明しているが、既にてんやわんやの状態だ。俺らは顔を見合わせて苦笑いをしながら班決めの中に入っていった。



 ある程度仲良しグループというものが出来上がっているみたいだから、簡単に班が決まり始めている。うちのクラスは三十七人だから、四人の班が九つと一人の班が一つできることになる。・・・いや、そんなわけはないだろう?当然、五人の班が一つできるわけだ。俺の班は、俺と杉田と、それから、旭川さんに東山さんかな。

 さて、どこの班も順調にメンバーが決まっているようだ。大体決まったのかな?

 そろそろ次の段階に進んでもよさそうだ。


「大体決まったみたいだね。もう大丈夫かな?次に進んでも。」

「ちょっと待って、岩内君がどこの班にも入れてないみたい。」


 そう言った彼女は東山明奈ひがしやまあきなさん。うちのクラスの保健委員。誰にでも同じように接することができて、とても気が利く心優しい女の子だ。保健委員なんて役割は彼女のためあるようなものではないかと思うくらいだ。少し細身の体形で髪の長さは肩下十五センチくらいだろうか。大体いつも両方の耳の後ろをゴムで束ねて二本に分けている。目鼻立ちはしっかりしているが優しい目をしている。


「うちの班に入れてもいいよね。」


 それの意見に反対するような輩はうちの班にはいないはずだ。


「当然でしょう。」


 杉田が間髪入れずに右手の親指を立てて答える。それはヤツの癖みたいなもんだ。けど、やはりグッジョブだ、杉田っ。岩内君は、ほんの少しだけのんびりしすぎている男子だ。身長も低めで少し太っていて、クラスで少し浮いた存在だ。勉強も運動も得意ではないが、東山さんはそれを気にするような子じゃない。大体、運動だけなら杉田も対を張るくらいに苦手だしな。


「じゃ、岩内君を入れてうちの班は五人班で臨みますか。」


 一応、他のメンバーに確認してみないといけないよな。


「もちろん、オッケーでしょうよ。」


 こういう時のムードメーカー杉田の役割は大きいなぁ。そんなこんなで、班割も終わったところで詳しい説明に入っていくことになるわけだ。


 さて、運命の野外学習まであと十日。

 運命なんて大げさに言ったが、特に深い意味はない。ただ、こういったイベントの前や後には男女関係のいろいろな進展がみられるなんてのはよくあることだ。たぶんそういうものだ。


***********************


 その日の放課後。杉田といつものように屋上で座って話していた。このところ、屋上は俺たちのベストプレイスとなっていた。大体の場合において杉田の隣には栗林さんもいる。つまりは三人でここにいることが多いというわけだ。


「なぁ竹中。」


 杉田がいつものように切り出す。


「ん、どした?」

「なんで、俺は運動ができないんだろうな。」


 杉田はほぼパーフェクトな男だ。勉強もできるし性格もよい。おまけに見た目までよいのだからどうしたって女の子のファンが多い。そして、そのパーフェクト野郎を射止めたのが栗林さん。明るくで元気な女の子で天然なところがあるが、この二人の組み合わせだとなんだか憎めないものになる。


「そうだなぁ。やっぱり、頭がおかしいんじゃないか?」


 ちょっとだけ杉田をいじめてみたくなった。


「頭かぁ。やっぱり運動をつかさどる小脳の働きがおかしいということか。」


 むっ、俺はそこまで深い意味を込めて言ったわけじゃないんだよ。ただ単に頭が良すぎるところを皮肉ってみただけなんだよ。


「まぁ、そういうことなんだろうな。」


 ここは杉田の流れに乗ってみるか。


「竹中は運動神経良いよなぁ?なんかコツとかあるのか?」

「そうだよね。竹中くんは何でもできるよねぇ。勉強もできるけど。あ、でも勉強は翔のほうがすごいよねぇ。」


 栗林さんは結局、俺を褒めたいのか?杉田を褒めたいのか?


「まぁ、コツというかさ、他の人の動きを見てコピーするって言うのか?真似するんだよ。そうすりゃたいていの運動はできるぞ?」


 たぶん、俺はそうやってきたんだけど、普通は違うのか?


「それって、結構な自慢だと思うよ?」


 栗林さんが、バッと俺の目の前に立ち上がり、右手の人差し指で俺を指しながら言った。


「い、いや。そういうつもりはないんだけどさぁ。」


 自慢じゃないが、運動は人並み程度にはできるほうだ。けど、飛びぬけてうまいというわけでもない。


「つまりはこういうことか?目から得た視覚情報を整理して、その動的情報を正確に肉体の動作にフィードバックする必要がある。そういうことだな。」


「いや、何言ってるのかわからんが。そんな難しいことじゃないって。真似するんだよ。うまい奴の。」


 コイツの頭の中はどうなってるんだよ。言ってることの半分くらいしかわかんねぇよ。


「ふむ。真似はしているつもりなのだが・・・」


 人には向き不向きというものがあるってことだよな。


「ねぇねぇ、そんなことよりさ。あたし聞きたいことあるんだけど。」


 栗林さんは俺の目の前に立ったまま、腕を胸の前で組みながら聞いてきた。


「ん?なに?」


「玉置さんとどうなってるの?」


 うわっ、これはまた直球だな。それが栗林さんらしいといえばそうなんだけど。


「どうって聞かれてもなぁ。」


 う~んといった感じで軽く右手で頭を掻き、ちょっとだけ頭の中を整理してみた。


「そうだなぁ。まぁ、結果で言えばフラれたのか?でもそれがよくわからないんだよなぁ。」

「それはあたしもちょっとだけ聞いたよ。環菜ちゃんから。でも、詳しく聞いたわけじゃないし、あたしもよくわかんない。」

「俺もわからないよ。でも、はっきりしているのは、もう、今までみたいな気持ちはないってことかなぁ。」


 質問に答えながらちょっとだけ目線を上に向ける。薄い色の青い空に雲がいくつか見えた。


「それってつまり?」

「まぁ、平たく言えば好きっていう感情はないってことかな。」

「そうなのか?」


 杉田が驚いたように俺の顔を見る。


「そうだよ。お前たちに嘘言ったって仕方ないだろう。」

「そっかぁ。じゃ、仕方ないよね。」


 仕方ない?それってどういう意味なんだろう。


「ま、いいんじゃないの?はた目から見ても竹中と玉置さんは表面的には別段変わったようには見えないしさ。まぁ、前よりはちょっと余所余所しい気もするけど。」

「余所余所しい?そんなつもりは・・・」

「俺たちは二人のことをよく知ってるからそう見えるだけかもな。」

「ねぇ。まだ、一緒に帰ったりしてるの?」


 なんだか結構ハードな質問攻めだな。


「あぁ、あれ以来は・・・委員会の後は一緒に帰ったかもなぁ。」

「そうなんだね。・・・う~ん、竹中くんが優しいのは知ってるけど、もう、それはやめたほうがいいんじゃないかな?」


 そうだよな。俺もそれは分かってるんだけどさ。


「竹中さぁ。俺もそう思うわ。いろいろ誤解招くことになるぞ?」

「わかったよ。これからはそうするよ。それにしても誤解ねぇ。今さらって感じもするけど。」

「いやいや、竹中くん、人の誤解って怖いんだよぉ。」


 そうだよな。誤解から殺人事件まで発展することがある時代だもんなぁ。


********************


 野外学習当日。


「最高の野外学習日和だね。」


 といったのは岩内君だ。

 確かに、雲一つない晴天ではなく薄曇り。こういう日は暑くなり過ぎないから外に出ていても苦行ではない。六月の北海道でも、暑くなるときは暑いものだ。


「いや、さみいから。」


 杉田よ~~~。


 オリエンテーリングといっても学校行事。

 公園内の地図に書かれたチェックポイントを順に回るだけだ。その数は合計五個。大げさなことはない。まして、この人数だ。いくら五分のマージンがあっても姿は見えるし声も聞こえる。コース上の所々に先生もいる。困ったときには声をかけて教えを乞うても良いということだ。ただし、ヒントとなる地図は各班に一枚配布されているだけ。つまり、本来の目的は、時間を競うことよりも仲間と楽しく協力するということを学ぶことなんだろう。


「俺たちは二組の最終出発だよな?」


 杉田が最終確認をしてくる。


「そうなるかな。まぁ、ないとは思うけど、アクシデントが起こっている班の救助も兼ねているというか。そんな感じ。」


「え?じゃ、竹中くんはルートとか全部わかってるの?」


 驚いた表情で東山さんが聞いてくるのはもっともだ。


「いや、みんなと同じ情報しか知らないよ。だからチェックポイントがあるってこと以外はわからないよ。」


 そうなんだよ。行き当たりばったりでアクシデントに対応しろということであり、トランシーバーを渡されているわけでもないので教師たちと連絡が取れるわけでもない。つまり、できることは少ないんだよな。


「じゃ、出発前に軽く打ち合わせでもしますか?」


 杉田は準備に余念がない。この意気込みは優勝を狙うってことか?


「杉田、テンション高いな。めっちゃ楽しみにしてたもんなぁ。」

「そりゃそうでしょう?課外授業というか、学外に出るだけでテンションあがるって。」

「そうだよねぇ。私もこういうの楽しいと思うよ?旭川さんは?」

「うん、まぁ、それなりに。」


 旭川さんはあまり乗り気ではないようだ。それにしても東山さんはみんなとの会話の間をつないでいる。それってスゴイことだよな。


「僕は結構楽しみ。」


 岩内君はニコニコしている。


「旭川さんはインドア派っぽい感じだから、外でのイベントは苦手かな?」


 あんまりよくは知らないけど、なんとなくそんな見た目が・・・


「う~ん、得意ではないかな。」

「得手不得手があるからなぁ。俺は何でもオッケーっすよ。無敵っすよっ。」


 さすがは杉田。あぁ、無敵だ。そういうことにしておこう。


「あはは、何かあったら杉田くん、よろしくねっ。」


 東山さんはノリもいいし、間を補ってくれる。栗林さんや玉置さんとはまた違う感じの女の子だよなぁ。


「任せてくれ給へ。と言いたいところだけど。俺が仕切っていいのかい?班長さん?」


 杉田がニヤリと笑みを浮かべながら俺の顔を見てくる。


「ん、そうだなぁ。なんだか、こういうことが得意そうな杉田に仕切ってもらおうかなぁ。みんなもそれでいい?」

「私は良いと思うよ。」


 東山さんは、よほどの不合理でもない限り反論なんてしないのかもしれない。


 東山さんかぁ。今までそんなに多く話すことはなかったけど、本当にやさしくて良い子なんだよな。今だって、岩内君のことを気遣いながら会話してるし、このイベントにあまり乗り気じゃない旭川さんのフォローもしている。


「俺にはできないよなぁ。」


 思わず口に出た。


「え?なに?竹中くん。」

「あ、いやいや、独り言だよ。ただ、東山さんはすごいなぁって思ってたんだ。」

「えぇっ、なんのこと?突然そんなこと言われたら、なんだか恥ずかしい。」


 少しうつむき加減になって体をよじっている。あれ?こんなに可愛らしい子だったの?


「いやさ、みんなのことを考えて行動するのってすごく大変じゃない。俺にはなかなかできないかな?って思ってさ。見習わなきゃなと。そう思ってたんだ。」


 正直に言って、俺はクラスのみんなと本当の意味でうまくいっているとは言い難い。


「そうかなぁ。私は竹中くんの方がすごいと思うけどな。」


『え?どこが?』そう聞こうと思った時、


「二組の九班出発の時間だぞっ」


 先生から出発の指示が出たことで、東山さんとの会話はいったん中断となった。


「よっしゃぁあああ。行きますぞぉおおおお。」


 杉田の号令(?)で出発になった。それにしても、今までに見たことないくらい気合入ってるみたいだな。



 実際にコースに出てみると、通常の公園の散策路のルートを若干無視したようなポイント構成だった。とはいえ、整備されている公園内であることには変わりない。大きなアクシデントもなく順調に進んでいき、残るポイントもあと二つ。


「う~~ん、な~んか、簡単だなぁ。もう少しこう、何かあっても良くないか?」


 こんなことを言っているのは、さっきからずっと地図を見ながら先頭を歩いていた杉田だ。もしかして、簡単すぎてやる気無くしてきたのか?


「そう?簡単でよくない?私はさ。もうさっさとゴールして帰りたいんだけど。」


 こういったのは杉田のすぐ後ろを歩いていた旭川さん。とってもやる気がないみたいだ。こういったアウトドアイベントって嫌いな人はとことん嫌いだからなぁ。仕方ないよなぁ。


「まぁ、そう言わずにさ。半分くらいは過ぎたと思うし、あとちょっと頑張ろうよ。」


 そう声をかけてみたところで溜息しか返ってこない。わかってはいたけど寂しいもんだ。岩内くんは大丈夫かな?岩内くんはそんなに声を出しているわけではないけど笑顔で歩いている。どうやら杉田と一緒に地図を見ながら歩いているみたいだ。良かった。杉田に任せて正解だったかもしれないな。


「ねぇ、竹中くん?」


 そう声をかけてきたのは俺と一緒に、班の最後尾を歩いていた東山さんだ。彼女は白いメトロハットをかぶっている。ちなみに俺はただのキャップだ。


「ん?なに?」

「さっき、出発前に何か言おうとしてたよね。あれって?」


 ん?なんだっけ。なんかそういうこともあったような気がするけど。


「あれって? なんだっけ? えーと、確か、あれは、そうだ。俺のどこがスゴイのかなって思ったんだよ。」


 そうそう。確かそんな感じだったと思う。


「あぁ。それは、やっぱりほら。竹中くんはいい加減うんざりかもしれないけど、入学式の時のことかな。」


「あ~。あのことはもう忘れてほしいんだけどなぁ。」


 正直、あの件で良くも悪くも有名人になってしまった。あまり誇れる出来事でもないし、あと何日待てば忘れてもらえるんだろう。それに、アレの何がスゴイ事なんだろう。


「でも、あのときはみんな怖がってたから。竹中くんが動けたことがすごいと思う。あの時、行動してくれたおかげで誰にも被害がなかったわけだし。」

「いや、あのときは何も考えてなかったからさ。今考えると結構恐ろしいことをしたと思うよ。」


 まったくもってそうだと思う。あの場がうまく収まったのもたまたま先生が現れただけなんだから。結果オーライではあるけど、問題が大ありなやり方だと思うんだよなぁ。


「考えていないのに、みんなのために動けるっていうのがすごいんだよ。私・・・・。」

「おぉい、竹中っ。四個目のポイント発見したぞっ。」


 ん?東山さん、なんて言ったんだろう?良く聞こえなかったけど。なんだろう?妙に真剣な顔してたなぁ。あとで聞いてみよっかな。


「おぉ、素晴らしいではないですか。じゃ、さっさとチェックして最終ポイントに向かいましょうか。」


 そんなこんなで、俺たちの班は、大きな問題もなくゴールすることができ、オリエンテーリングは無事に終了した。はずだった。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


どうやら玉置さんのことを竹中の心の中では一応の区切りがついているみたいですね。

良かった良かった。


それにしても、杉田の運動神経がプッツンだという事実に竹中は驚いたでしょうねぇ。

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