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しるし3(詩集)

ツグミ

作者: さゆみ



唇がパリパリになって痛い

もうすぐ雪が降るのなら

紅色タルトを頬張りましょう

白に奪われてしまわないように

手袋の内側に溢した恵み

か細い毛糸を紡いだ甘美


ツヅキ ツムグ ツグミ

シベリアからやって来た

毎年繰り返される飛来

当たり前だけれど偉い

胸を張って振り向き未来

ここでは鳴き声は仕舞い

淡い冬をせっせと啄ばむ


紡がれてゆくもの

隙間なく密着した誠意

緩やかな網目をした繊維

心許ない鮮やかなショール

包み込んだり 捨てていったんでしょう

紡いでゆくもの

良いもの悪いもの

温かさも冷ややかさも

唯一無二


続き 紡ぐ ツグミ

手羽先から放たれる声

繰り返される息遣い

翻弄される生きざま

無駄なものばかり

いらないものばかり

嫌いなものばかり

それで?



クイッ クイッ 

ツグミが鳴いた

いつの間に 飛び立った







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― 新着の感想 ―
[良い点] 風景が浮かぶ良いものだ!
[良い点] 一連目が感覚的な物で書かれたものだと思いました。二連目が韻を綺麗に踏んでいて読み易く一連目からの繋がりからしてとても良かったです。三連目起承転結の転でググーッと盛り上がって来てここまででオ…
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