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プロローグ ─決意─
飾り窓からもれた光によって白銀に照り映えている刃を伝って、紅い雫が鮮やかにも滴っている。
ああ、何だろうこの光景は…
刃の先は深く彼女の胸部に埋まって、そこから溢れ出た血が無垢な白いドレスを染めていく。
目に映るのは、次第に生気を失っていくこの国の女王の姿。
白い肌がより白く色褪せる。
彼女は死ぬ。
目の前の景色を受け入れろ。
自分に残されたのは彼女の子どもと少しの仲間たち。
いつの日かを希望に…
生きる覚悟を決めた。
その日、平和であった小さな国は静かに滅びた。