全班出動!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリー!!!!!!!!!
『うるせーよバカ!!』
時計の音は止み、男は頭をかいた。
『まったく…もうこんな時間かよやっべ!!!』
ドタバタした駆け足でマイルームへ向かう。
この男の名はストルフ・エレア。
ここ、フォルラン帝国の
最近配属された下級戦士だ。
『ヤッベ、遅刻したらコアさんに怒られちまうよ~、ひ~』
と、嘆いていたそのとき、
『王国内に侵入者が入りました。』
その放送と共に、ベルが鳴り響く。
『な、侵入者?? フォルランに侵入するとかバカの極みじゃねーか!!』
などとぶつぶつ言いながら自分の配属された
第8班の本拠地である第4総統室に向かう。
第8班の隊長は雪戦士のコア隊長。
副隊長は応用力を持った
炎と煙の戦士のフリーク副隊長。
隊員は第8班はひじょうに少なくエレアを含めて
も3人しかいない。
1人は フォルラン随一の剣士のテクノ。
もう1人は魔法攻撃、
及び第8班の医療戦士でもあるラテン。
それに雷戦士のエレアの3人である。
つまり第8班は強者揃いゆえ、人数は5人で構成されている。
『すいません。遅れましたか。』
空気がやばい。今にも殺されそうな空気が漂う。
ずんずんと、テクノがエレアに迫る。
殺された、エレアがそう思ったとき
『ギリギリ1秒セーフだよ♪』
それを聞いたエレアは良かったーと言いたい衝動を押さえ、
『今度は、5分前集合します。』
と宣言した。
『まぁいい、座れエレア。』
と眉間にシワを寄せたコア隊長が言う。
『し、失礼します!!』
と、元気な声で座ったエレア。
不吉な予感がよぎる。
少し間が空き…コアはゆっくり口を開いた。
『お前らも放送を聞いただろうが、この
フォルラン帝国に侵入者が入った。』
『でも、第5班ぐらいまでで処理するんじゃないですかね?いつもそうだし。』
と、ラテンが問う。
『まあ、いつもの賊ならそうだろうが、多分今回は違うんだろうな。』
『え、なんで!?』
『こんかい王様が出した命は…全班出動だ!!』
このとき、エレアは自分が感じている
不吉な予感が当たる気がしてならなかった。