三角館の怪
国会議事堂の中央塔にそびえる「三角屋根」――その最上階には、建築以来だれも足を踏み入れたことがないと言われる開かずの部屋が存在する。
実はそこは、日本の政治・経済・社会のすべてを「美しい正三角形」へと再編しようと目論む秘密結社「三角官の会」の秘密議事堂であった。今夜も国家の命運を左右する凄まじい論争が、三角屋根の下で繰り広げられようとしている
国会議事堂の真ん中にそびえる「三角屋根」の最上階には、国のあらゆる重要事項をすべて三角形に統一しようと企む謎の秘密結社「三角官の会」が夜な夜な集まっていた。
「諸君、ついにこの時が来た!内閣総理大臣の席を正三角形の重心にし、国会の予算審議も三つの与野党に綺麗に三等分させるのだ!」
情熱的に語る会長の三角形愛に会員たちが「異議なし!」と拳を突き上げたその瞬間、新人会員の佐藤が恐る恐る手を挙げた。「あの……会長、大変な問題を発見しました。我が国の国旗、日の丸が『丸』です。三角形の丸なんて、幾何学的に存在しません!」
議場に凍りつくような沈黙が流れた。会長は額に汗を浮かべながら「バ、バカな……では『日の角』にするしかないのか!?」と絶叫し、会員たちも「日の角なんてダサすぎる!」「いっそ日の丸を正三角形で囲むか!?」と大パニックに陥った。結局、朝まで議論しても結論は出ず、会員たちはコンビニで買った「おにぎり」を黙々と食べながら解散するのだった。
【了】
国会議事堂のシンボルである中央塔を舞台に、政治の「三権分立」と「おにぎり」の美しい三角形を結びつけた一作です。どれほど壮大な野望を掲げる結社であっても、足元の「日の丸」という不可侵の丸とコンビニ飯の前には無力であるという哀愁と滑稽さを楽しんでいただけたら幸いです。




