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『人間大のプレスマン』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/06/22

 あるところに魚屋さんがいました。その日も、商いを終えて帰ろうとしていたとき、大きな松の木の根元で、子狸が何やらもそもそしています。おもしろそうだったので、隠れて見ていますと、あっという間に若い娘さんに化けました。魚屋さんは、あべこべに、狸を化かしてやろうと思って、若い娘さんに近寄りますと、どうしたんだい娘さん、足でもくじいたのかい、と話しかけました。すると子狸が化けた娘さんは、そうなの、足をくじいちゃったの、と乗っかってきましたので、魚屋さんは、そいつはいけねえ、おぶってやるからほれ、と言って、子狸が化けた娘さんを半ば無理におぶいますと、町まで全力で走って、知り合いの八百屋さんを見つけると、おい、俺の背中の娘をふんじばってくれ、こいつは狸なんだ、と言いました。八百屋さんは、不思議がりながら、魚屋さんの背中から娘さんを下ろして、縄でぐるぐる巻きにしましたが、魚屋さんが見てみると、それは、娘さんではなく、巨大なプレスマンでした。



教訓:こういうとき、普通はお地蔵さんであるが、それだと速記小説にならない。

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