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魔術との出会い

戦場から戻った騎士団は、すでにリオを“新人”とは呼ばなくなっていた。


三年。


たった三年で、リオは第二小隊の主戦力になっていた。


訓練場。


朝日が差し込む。


騎士たちが円を作っている。


中心にはリオとガルト。


ガルトが笑う。


「よし。」


「久しぶりにやるか。」


周囲の騎士が囃し立てる。


「隊長またやるのか!」


「今度は勝てよ!」


ガルトが剣を構える。


「新人。」


「いや、もう新人じゃねえな。」


リオも剣を構える。


「まだ新人です。」


ガルトが笑う。


「そうか?」


「じゃあ新人。」


「来い。」


ガルトが踏み込む。


剣が唸る。


だが。


カン。


ガルトの剣が弾かれる。


一瞬で体勢が崩れる。


次の瞬間。


リオの剣が喉元に止まる。


沈黙。


騎士たちが叫ぶ。


「またか!」


「隊長また負けた!」


ガルトは豪快に笑った。


「ははは!」


「もう勝てねえな!」


騎士の一人が言う。


「お前その強さどうなってんだよ。」


リオは首を傾げる。


「普通です。」


騎士たちが一斉に突っ込む。


「普通じゃねえ!」


その時だった。


騎士団の門が開く。


黒いローブの老人が入ってきた。


杖をついている。


騎士が言う。


「……誰だ?」


老人は静かに言った。


「団長はいるか。」


ガルトが答える。


「俺だ。」


老人はリオを見て、目を細めた。


「……ほう。」


ガルトが腕を組む。


「何の用だ。」


老人は答える。


「北の山脈。」


「古代遺跡が開いた。」


騎士たちがざわつく。


「遺跡?」


「またか。」


老人は続ける。


「魔物が湧いている。」


「魔術騎士を一人貸してほしい。」


ガルトが笑う。


「うちは剣しかいねえ。」


老人はリオを指差す。


「いる。」


騎士たちが一斉にリオを見る。


「新人?」


老人は静かに言う。


「この者だ。」


ガルトが眉をひそめる。


「なんで分かる。」


老人は答える。


「剣の動きだ。」


「魔術の流れを斬っている。」


リオが首を傾げる。


「……魔術?」


老人が近づく。


リオの剣を見る。


そして言った。


「お前。」


「魔術を知らないのか。」


リオは正直に答える。


「はい。」


老人は呆れた顔をする。


「それでその剣か。」


ガルトが笑う。


「こいつおかしいだろ?」


老人は真面目な顔で言う。


「いや。」


「恐ろしい。」


リオが聞く。


「魔術って……」


老人が杖で地面を叩く。


トン。


その瞬間。


空気が揺れる。


光が生まれる。


小さな炎が浮かぶ。


騎士たちが叫ぶ。


「魔術だ!」


炎はゆっくり消えた。


老人が言う。


「世界は剣だけではできていない。」


「魔力が流れている。」


リオの目が少しだけ輝く。


「……見える。」


老人が驚く。


「何?」


リオが言う。


「空気の中。」


「流れてる。」


騎士たちが笑う。


「見えるわけねえだろ!」


老人は真剣な顔になる。


「……見えるのか?」


リオは頷く。


「はい。」


老人は小さく呟いた。


「……化け物だ。」


その時。


リオの胸元が光る。


ノアだ。


小さな光がふわふわ浮かぶ。


老人が驚く。


「精霊?」


リオは笑う。


「家族です。」


ノアがリオの肩に乗る。


ぴこぴこ光る。


老人は目を細める。


「……なるほど。」


「精霊に愛されている。」


老人が言う。


「少年。」


「魔術を学ぶか?」


リオは少し考える。


そして言う。


「強くなれますか。」


老人は答える。


「世界が変わる。」


リオは即答した。


「教えてください。」


騎士たちが騒ぐ。


「新人魔術師になるのか!」


ガルトが笑う。


「面白え!」


老人は杖を持ち上げた。


「では来い。」


「山へ。」


こうして。


リオは。


剣士から。


剣と魔術を持つ騎士へと歩き始める。


その肩には。


小さな光。


ノアが、いつも通りふわふわ浮いていた。

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