最後の夜
夜。
町外れの空き地。
昼の修行の跡が残っている。
足跡。
木剣の跡。
地面の線。
リオと三人は草の上に座っている。
空には星。
ルーク
「はぁー。」
寝転ぶ。
「三日でこんな疲れたの初めてだ。」
カイル
「それはお前が振り回しすぎなんだ。」
ナーシャ
「でも楽しかった。」
リオが笑う。
「俺も。」
少し静かになる。
遠くで虫の声。
ルーク
「先生。」
リオ
「ん?」
ルーク
「SSギルドのダンジョンって」
「どんなところ?」
リオ
「さあ。」
肩をすくめる。
「俺も知らない。」
カイル
「怖いですか?」
リオは少し考える。
「……少し。」
三人が驚く。
ルーク
「先生でも?」
リオ
「当たり前だ。」
笑う。
「怖くないやつなんていない。」
ナーシャ
「でも行く。」
リオ
「うん。」
「強くなるため。」
少し間。
カイル
「先生。」
リオ
「ん?」
カイル
「帰ってきてください。」
リオは笑う。
「帰ってくる。」
ルーク
「絶対?」
リオ
「絶対。」
ナーシャ
「約束。」
リオは頷く。
「約束。」
四人が拳を合わせる。
トン。
その時。
遠くの丘。
ヴァルが立っている。
肩にはノア。
ノアが淡く光る。
ヴァル
「見ているか。」
ノアが光る。
ヴァル
「いい。」
酒を飲む。
「人は」
「約束すると強くなる。」
星空を見る。
「だが」
小さく笑う。
「世界は試す。」
⸻
少し後。
三人が帰る。
ルーク
「先生!」
振り返る。
「騎士団長!」
カイル
「その時は」
「俺が勝つ!」
ナーシャ
「二人とも遅い。」
三人が走っていく。
リオが笑う。
「元気だな。」
静かになる。
後ろから声。
ヴァル
「いい弟子だ。」
リオ
「ヴァル。」
振り返る。
ノアが肩で光る。
リオ
「ノア!」
ノアがふわっと飛ぶ。
リオの肩に戻る。
ヴァル
「少し魔術を教えておいた。」
リオ
「え?」
ノアが小さく光る。
リオ
「ほんとに!?」
ヴァル
「案外」
「筋がいい。」
リオ
「うそだろ……」
ヴァルは川を見る。
「明日。」
「出発だ。」
リオ
「はい。」
少し間。
リオ
「ヴァル。」
ヴァル
「なんだ。」
リオ
「ありがとうございました。」
ヴァルは酒を飲む。
「まだ早い。」
リオ
「え?」
ヴァル
「本当の礼は」
目を細める。
「生きて帰ってから言え。」
リオは笑う。
「はい。」
風が吹く。
星。
遠く。
町の灯り。
そして
地下深く。
SS専用ダンジョンが静かに待っている。




