三日の約束
川沿い。
夕暮れ。
風が水面を揺らしている。
リオは荷物をまとめていた。
少し離れた場所に
SSギルドの五人。
レオン
「出発は三日後だ。」
リオ
「はい!」
その時。
ヴァルが声をかける。
「そうだ。」
リオ
「?」
ヴァル
「ノアはどうする。」
肩の上。
小さな光。
ノア。
リオ
「あ……」
少し考える。
「連れて行けません。」
レオン
「ダンジョンは危険だ。」
リュメリア
「連れて行く場所じゃないわね。」
リオ
「ノア。」
小さな光が揺れる。
リオ
「少しの間だけ」
ヴァルを見る。
「預かってもらえますか?」
ヴァル
「ほう。」
ノアがふわりと飛び
ヴァルの肩に乗る。
ヴァルは目を細める。
「では。」
酒を一口。
「ノアには」
「魔術を教えるとするか。」
リオは笑う。
「えー!」
「ノアには無理ですよー!」
ノアが小さく光る。
ヴァル
「どうかな。」
「案外」
「天才かもしれんぞ。」
リオ
「ないない!」
小さな笑い。
⸻
そのあと。
町外れの空き地。
三人の子供が走ってくる。
ナーシャ
「リオ先生!」
カイル
「今日は遅かったですね!」
ルーク
「修行!?」
リオは笑う。
「今日は」
「少し話がある。」
三人が止まる。
リオ
「SSギルド。」
三人
「え?」
リオ
「ダンジョンに行くことになった。」
沈黙。
ルーク
「SSって」
「本物の?」
リオ
「うん。」
カイル
「すごい……」
ナーシャは静かに言う。
「いつ出発?」
リオ
「三日後。」
三人の表情が少し曇る。
リオ
「だから。」
笑う。
「三日ある。」
三人が顔を上げる。
リオ
「三日間。」
剣を抜く。
「目一杯教える。」
ルーク
「ほんと!?」
カイル
「全部ですか!?」
リオ
「全部。」
ナーシャ
「ヴァル先生のやつも?」
リオ
「うん。」
少し照れる。
「ヴァルに教わったこと。」
「全部。」
三人の目が輝く。
リオ
「それだけじゃない。」
剣を回す。
「自分で考えたやつもある。」
ルーク
「技!?」
リオ
「うん。」
カイル
「知りたい!」
ナーシャ
「お願いします!」
リオ
「三日間。」
剣を構える。
「コツも。」
「技も。」
「考え方も。」
「全部教える。」
三人が剣を構える。
夕焼け。
四つの影。
リオ
「まず。」
「剣は腕で振らない。」
カイル
「はい!」
リオ
「腰で振る。」
ルーク
「こうですか!?」
リオ
「そう!」
ナーシャ
「重心ですね。」
リオ
「その通り。」
夕日の中。
木剣が振られる。
ヒュン
ヒュン
ヒュン
少し離れた丘。
ヴァルが見ている。
肩にはノア。
ヴァルが呟く。
「いい。」
「いい時間だ。」
酒を飲む。
「だが」
目を細める。
「嵐の前だ。」




