表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキルの【停止時能力アップ】実は世界最強でした  作者: 滝本りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/137

祭りの夜の酒

夜。


カザールの酒場。


昼のパレードの余韻が残っている。


店はいつも以上に騒がしい。


冒険者。


商人。


町の人々。


皆が英雄の帰還を祝っている。


酒場の奥の席。


ヴァルが座っている。


マスターが酒を置く。


「今日は混むぞ。」


ヴァル

「祭りだからな。」


その時。


扉が開く。


五人の影。


黒い外套。


星冠の紋章。


アストラル・クラウン。


店内が一瞬静かになる。


すぐに歓声。


「SSギルドだ!」


「本物だ!」


マスターが笑う。


「おう、英雄様ご一行。」


レオンが軽く手を上げる。


「席は空いているか。」


マスター

「好きなところ使え。」


レオンはヴァルを見る。


ヴァルが手招きする。


「こっちだ。」


五人が席につく。


酒が並ぶ。


レオンが言う。


「紹介しておこう。」


「アストラル・クラウン。」


指で順に示す。


「隊長。」


「カイゼル・レオニード。」


静かな男が軽く頷く。


「前衛。」


「ガルヴァン・ディアス。」


大剣の男が笑う。


「魔術。」


「リュメリア・ヴェイル。」


赤髪の女が杯を持つ。


「破壊役。」


「ドレクス・バルガ。」


巨漢が酒を一気に飲む。


そして


「レオン・ヴァルディア。」


ヴァルはゆっくり酒を飲む。


少し笑う。


「やっぱりな。」


レオン

「?」


ヴァル

「お主。」


「SSだったか。」


レオンの眉が動く。


「気づいていたのか。」


ヴァル

「当たり前だ。」


酒を置く。


「私を誰だと思っている。」


ガルヴァンが笑う。


「面白い爺さんだ。」


マスター

「昔からだ。」


酒が進む。


しばらく世間話。


そして


ヴァルが言う。


「それで。」


レオン

「?」


ヴァル

「帰ってきた理由だ。」


レオン

「祭りだろう。」


ヴァル

「違う。」


酒を飲む。


「新しいメンバー探しだろう。」


一瞬。


空気が止まる。


ドレクスが笑う。


「その通りだ!」


ガルヴァン

「おい。」


リュメリアが笑う。


「口が軽いわね。」


ヴァルは頷く。


「やはりな。」


レオンは静かに言う。


「どうしてそう思う。」


ヴァル

「簡単だ。」


酒を回す。


「SSがただ帰省すると思うか?」


「何か探している。」


カイゼルが初めて口を開く。


「それで。」


「候補はいるのか。」


ヴァルは少し笑う。


「いる。」


全員の視線が集まる。


ヴァル

「リオだ。」


マスター

「またその話か。」


ヴァル

「本気だ。」


レオン

「Eランクだ。」


ヴァル

「今はな。」


酒を飲む。


「だが」


「素質が違う。」


ガルヴァン

「どれくらいだ。」


ヴァル

「今でも」


「B……いや」


少し考える。


「Aクラスの力はある。」


リュメリアが目を細める。


「大きく出るわね。」


ヴァル

「数年経てば」


酒を置く。


「お主らを」


「一番簡単に抜く。」


ガルヴァンが笑う。


「言うじゃないか。」


ヴァルは続ける。


「そんな素質のある男が」


「別のギルドに入ったらどうなる。」


沈黙。


ヴァル

「損するのは」


「お主らだ。」


レオンは黙っている。


ヴァル

「利益。」


「栄光。」


「名声。」


「全部」


「他のギルドが持っていく。」


酒場のざわめき。


ヴァルはゆっくり言う。


「それでいいのか。」


沈黙。


カイゼルが酒を飲む。


そして


小さく笑う。


「面白い。」


全員の視線が集まる。


カイゼル

「その話。」


「気に入った。」


ヴァル

「そうか。」


カイゼル

「近いうち」


「決断しよう。」


わざと間を置く。


「よく考えてな。」


ヴァルは笑う。


「そうか。」


酒がまた並ぶ。


夜は続く。


だが


この席にいる誰もが


本当のことを


一つも言っていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ