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外れスキルの【停止時能力アップ】実は世界最強でした  作者: 滝本りお


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39/119

英雄帰還パレード

聖王国エルディア

地方都市カザール。


朝。


鐘が鳴る。


ゴォォォン

ゴォォォン


市場の屋台が並び

色とりどりの旗が街道に張られている。


子供たちが走る。


「来るぞ!」


「SSギルドだ!」


パン屋の店主が笑う。


「久しぶりだな。」


商人が言う。


「この町の誇りだからな。」


この都市。


カザール。


ここは昔

一つの冒険者集団が生まれた場所。


小さなギルド。


だがその集団は成長し

やがて世界最強の名を得る。


SSギルド。


アストラル・クラウン。


だから彼らが帰ってくる日は

町全体が祭りになる。


帰還。


帰省。


そして英雄の凱旋。


大通り。


白聖騎士団が並ぶ。


旗が揺れる。


騎士団長

アルドレイン・ヴァルクが前に立つ。


「整列!」


兵士たちが槍を構える。


遠くから


蹄の音。


ドン

ドン

ドン


群衆がざわめく。


「来た!」


「SSギルドだ!」


子供たちが前へ出る。


隊列が見える。


黒い旗。


星冠の紋章。


アストラル・クラウン。


歓声が上がる。


「英雄だ!」


「魔王を倒した人たち!」


中央。


五人の騎士。


カイゼル。


ガルヴァン。


リュメリア。


ドレクス。


そして


レオン。


レオンの表情は静かだ。


群衆を見る。


歓声。


笑顔。


子供たち。


だがその目は


別のものを探している。


群衆の中。


リオ。


肩にはノア。


リオ

「すごい……」


目が輝く。


「SSギルドだ。」


ノアが小さく光る。


リオ

「いつか」


「僕も……」


言葉が途中で止まる。


その瞬間。


隊列の中。


レオンの視線が動く。


群衆の奥。


酒場の前。


そこに


老人。


曲がった背中。


古い外套。


ヴァル・グレン。


二人の目が合う。


ほんの一瞬。


レオンは小さく


会釈する。


誰にも気づかれないほど小さく。


ヴァルは笑う。


そして


手をひらひら振る。


まるで昔からの知り合いにするように。


その手が動く。


指で酒を飲む仕草。


そして


親指で酒場を指す。


「今夜。」


レオンの目がわずかに動く。


そして


小さく頷く。


パレードは続く。


歓声。


旗。


鐘。


英雄の帰還。


しかし


ヴァルはその様子を見ながら


小さく呟く。


「いい祭りだ。」


そして笑う。


「だが」


「夜の方が面白い。」


遠くで


リオが歓声の中で手を振っている。


まだ知らない。


この祭りの裏で


自分が


排除対象


に指定されたことを。

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