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外れスキルの【停止時能力アップ】実は世界最強でした  作者: 滝本りお


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13/119

朝の広場

その日、僕はいつもの場所に向かって歩いていた。


街の外れ。

古い神殿の横にある小さな広場。


石の床。

壊れかけの柱。


でもここは、僕のお気に入りの場所だ。


子供たちに剣を教えるには

ちょうどいい。


僕の肩には――


ノアが乗っている。


まだ小さい魔虫。

羽を静かに震わせながら、周りを見ている。


広場に着くと

すでに三人が待っていた。


「リオ兄ちゃん!」


元気に手を振るのはアルト。


「遅いよ!」


レオルは腕を組んでいる。


ナーシャは笑いながら言う。


「今日は何教えてくれるの?」


僕は手を振る。


「おはよう」


するとアルトが気づく。


「……あれ?」


「肩のそれ何?」


僕は少し照れながら言う。


「あー」


「新しい仲間」


三人が一斉に近づく。


「虫!?」


「魔虫だ」


「かわいい!」


ナーシャが目を輝かせる。


僕はノアを手のひらに乗せる。


「森で怪我しててさ」


「助けたらついてきちゃった」


アルトが顔を近づける。


「名前あるの?」


「あるよ」


僕は笑う。


「ノア」


ノアは小さく羽を震わせる。


レオルがじっと観察する。


「魔虫って普通こんなに人に懐くの?」


僕は肩をすくめる。


「僕もよくわからない」


ナーシャが指を出す。


ノアはその指に乗る。


「わあ……」


「軽い」


僕は笑う。


「じゃあ、そろそろ練習しようか」


三人が木剣を持つ。


僕はいつものように言う。


「剣は腕じゃない」


「体全部で振る」


アルトが元気よく言う。


「わかってる!」


「重心だろ!」


僕は頷く。


「そう」


「足から始まる」


少し練習した後、

僕はふと思う。


「そういえばさ」


三人を見る。


「みんな初期スキルって何?」


子供たちは顔を見合わせる。


アルトが胸を張る。


「俺は剣適応!」


「剣持つと体が強くなるんだ!」


僕は目を丸くする。


「すごいな」


アルトは得意げだ。


次にレオル。


「僕は魔力解析」


「魔力の流れが見える」


僕は驚く。


「それ賢者スキルじゃないか」


レオルは少し照れる。


ナーシャが手を挙げる。


「私は力流転!」


「力を流せるの!」


アルトが笑う。


「それ柔術だろ!」


ナーシャは頬を膨らませる。


僕は三人を見る。


そして少し笑う。


「いいなあ」


三人が首を傾げる。


「え?」


僕は肩をすくめる。


「僕の初期スキルさ」


「夢記録」


三人が固まる。


「夢?」


「夢覚えてるだけ?」


僕は苦笑する。


「そう」


「外れスキル」


アルトが真顔で言う。


「でもリオ兄ちゃん強いじゃん」


僕は首を振る。


「そんなことないよ」


「君たちの方がずっとすごい」


その光景を


少し離れた場所から

一人の男が見ていた。


黒い外套。


剣士の装備。


その男は

あるギルドの紋章をつけている。


SSギルドのメンバー


男は腕を組んで呟く。


「……Eランク?」


視線はリオに向く。


剣を振る姿を見る。


足の運び。


重心。


間合い。


男は眉をひそめる。


「……なんだ?」


「妙だな」


少し首を傾げる。


「素人じゃない」


「でも」


「冒険者としては弱い?」


少しだけ笑う。


「面白い」


そして視線を移す。


子供たち。


「……あのガキも」


アルトの剣。


レオルの目。


ナーシャの動き。


男は小さく呟く。


「素質あるな」


そして最後に

ノアを見る。


魔虫。


一瞬だけ空気が揺れる。


男の表情が変わる。


「……?」


「今のは気のせいか」


しばらく見ていたが

やがて背を向ける。


「まあいい」


「Eランクか」


しかし去り際に

小さく言う。


「……あの男」


「何か違うな」

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