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外れスキルの【停止時能力アップ】実は世界最強でした  作者: 滝本りお


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南の森、人型スライムと

僕は南の森で薬草を探していた。


青葉草は、日陰の湿った場所に生える。

木の根元を見ながら歩いていると――


突然、森の奥から叫び声が聞こえた。


「くそっ!退け!!」


「無理だ!速すぎる!」


僕は顔を上げる。


……戦闘?


声の方向へ走ると、すぐに状況が見えた。


四人の冒険者。

装備を見る限り、Cランク。


その前にいるのは――


スライム。


だけど、普通のスライムじゃない。


僕は思わず呟く。


「……ネオスライム?」


スライムなのに、形が歪に揺れている。

人の腕のようなものを作り、足のような形まで作っている。


色は普通の青いスライムのまま。


でも明らかに違う。


一人の冒険者が叫ぶ。


「気をつけろ!そいつ――」


その瞬間。


スライムが消えた。


いや違う。


速すぎて見えない。


次の瞬間、剣士の腹に衝撃が入る。


「ぐっ……!」


男が吹き飛ぶ。


「特急だ!!」


別の冒険者が叫ぶ。


「こいつ、スキル持ちだ!」


僕の背筋が凍る。


魔物にもスキルを持つ個体がいる。

それだけで危険度が跳ね上がる。


ネオスライムのスキルは


《特急》


瞬間的に爆発的な速度を出す能力。


Cランク四人でも押されている。


盾役の男が血を吐く。


「もう……もたない……」


僕は思わず前に出た。


「大丈夫ですか!」


四人が一斉に振り向く。


「誰だ!」


「Eランクか!?」


一人が怒鳴る。


「逃げろ!!」


「こいつは無理だ!」


でも――


体が止まらない。


困っている人を見ると

どうしても放っておけない。


僕はネオスライムの前に立つ。


そして、気づく。


……やばい。


ものすごく、やばい。


目の前のスライムが

ゆっくりと人型に変形する。


腕。

脚。

頭。


青い人影のような姿。


僕の頭に浮かぶ言葉は一つ。


(死ぬ)


怖い。


怖すぎる。


逃げたい。


でも――


体が動かない。


足が固まる。


腕も動かない。


呼吸だけが荒い。


(あ……終わった)


ネオスライムがこちらを見た。


知能がある。


明らかに、僕を狙っている。


次の瞬間。


スライムの体が縮む。


Cランクの冒険者が叫ぶ。


「避けろ!!」


そして――


消えた。


スキル


《特急》


僕に向かって突進してくる。


でも僕は――


動けない。


完全に固まっている。


その間、僕のスキルが働いていた。


二次スキル


《停止時能力向上》


動かない時間が長いほど

身体能力が強化される。


僕は恐怖で

完全に停止していた。


だから――


体が変わっていた。


筋肉が硬くなる。


骨が締まる。


感覚が鋭くなる。


そして僕は

無意識に一つ選んでいた。


硬度強化


ネオスライムが

全力で突っ込んでくる。


――衝突。


その瞬間。


音がした。


「……え?」


ネオスライムの体が


真っ二つに裂けていた。


高速で突っ込んできたスライムが

硬化した僕の体にぶつかり

自分の勢いで裂けた。


ネオスライムは崩れ落ちる。


ぐちゃりと地面に落ちて

動かなくなる。


森が静かになる。


Cランクの冒険者が呆然と呟く。


「……倒した?」


「今の……何が起きた?」


四人が僕を見る。


「君がやったのか?」


僕は慌てて首を振る。


「い、いえ!」


「僕……動けなくて……」


一人が笑う。


「いやいや!」


「今のネオスライムだぞ!?」


別の男が言う。


「Cランク四人でも無理だったんだ!」


「すごいぞ!」


僕は頭をかく。


「いや……」


「僕のスキル、外れなんです」


「動けなかったから倒せただけで……」


男たちは顔を見合わせる。


そして同時に言った。


「……Eランク?」


「そんなわけあるか」

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