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初めての評議委員会

 さて、新入生歓迎パーティーを無事終えて一週間。

 5月も下旬になって今年度初めての評議委員会が開催される。


 これは、各クラスの正副学級委員長を交えた会議であり、定例会は月一度、その他に生徒会や委員の発議により臨時開催されることもあるようだ。


 この会議では、校則の改正など、重要な議決がなされる場合もあるが、今回は初めてということで、顔合わせと年間スケジュールの確認が目的だ。

 3学年3クラスづつあるので、評議員18名と生徒会執行部7名の計25名。

 そして、議長は会長である私が務める。


「ではまず、生徒会執行部及び、お集まりいただいた評議委員の自己紹介を行いたいと思う。」

 こうして、私から順に1年C組の委員まで紹介が終わる。

 前世でも思ったが、こういう挨拶は本当に退屈で長い・・・


「次に、今年度の生徒会主催行事及び学校のスケジュールを配付資料のとおり示した。年度当初は、私も不慣れなため、昨年度同様の活動を考えているが、意見があったら忌憚なく出して欲しい。」


 配布資料には、以下のスケジュールが記載されている。

6月10日     市内ボランティア清掃(生徒会主催)

7月第一週     一学期末考査

7月第三週     一学期終業式、夏季長期休暇

8月8日~10日   夏季交流会(生徒会主催)

9月1日       二学期始業式

9月15日~17日  合宿訓練(一年生)

9月20日~22日  ダンジョン攻略実習(2年生)

9月21日~28日  風紀強化週間(生徒会主催)

10月10日      剣術大会

11月4日~5日 文化祭

11月11日~13日  ダンジョン攻略実習(3年生)

12月第二週     二学期末考査

12月第三週     二学期終業式・冬期長期休暇

1月第二週     三学期始業式

1月14日     孤児院訪問(生徒会)

2月最終週     卒業試験(3年生)

3月第一週     三学期末考査

3月31日     卒業式、三学期終業式、学校創立パーティー


 改めて見てみると、まんま高校だな・・・


「私はこの案で賛成です。」

 委員の一人が発言する。


「今年の清掃活動の場所はどこですか?」

「王都目抜きのローガン通りを考えています。」

「去年は王城前広場でしたね。」

「市民に学校活動をより知ってもらうためには、いろんな場所、様々な層の人がいるところで行うのがいいと考えた案です。」

「異論はございません。」

「私は追加で行って欲しい行事がございますわ。」

「ゴールドバーグ委員ですね。提案をどうぞ。」

「私、学校の七不思議を解明したいと存じますわ。」


 おい、そんなもんあるんかい!

 だいたい、魔法がある世界で何が不思議なんだ?

 でも、みんなざわついてるし、あるんだろうなあ・・・


「ところで、私は存じていませんが、七不思議って何でしょう。」

「古くからあるもので、生徒の間では広く知られているものですわ。」

「毎年、解明に関する要望が生徒会に上がってきますね。」

「毎年ですか。ちなみに、どんなものがあるんでしょう。」

「夜中に独りでに鳴るピアノ、夜中に説教を始める初代校長像、夜中に動き回る人体模型像、時々目が動く美術室の肖像画、夜中飛び回る食堂の包丁、トイレのフラワーチャイルド、時々段数が13段になる旧校舎の階段、夜中に覗くと、中から人が覗き返してくる中央階段踊り場の鏡の8つです。」

 7つじゃないんか~い!

 それに、夜中多いな・・・


「ところで、フラワーチャイルドって何?」

「それが、正確には分かってないのです。花柄のワンピースを着た子供とか、フラワーチャイルドさんって呼ぶと返事するとか。いろいんな目撃証言が伝わっているのです。」

「しかし、これを生徒会行事に位置付けるのはどうかと思うけど。」

「先生の許可も必要ですね。」

「あの~、私、お化けはちょっと・・・」

「会長、私も怖いのは却下していただければ・・・」

 委員達も動揺し始めた。


「では、生徒会行事ではなく、生徒からの要請による調査ということで先生に相談してみることにするよ。」

「調査は全員でするの?」

「こういうのが苦手な人もいるだろうし、夜中の外出に許可が出ない家がほとんどだろうから、希望者の中から厳選するということでどうかな。」

「そうだね。」


 でも、これって生徒会の仕事なの?


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