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こっち見ないで!

心理学系のセミナーに週一で通っていたことがある。

決まったテキストはなくて、講師がその時々でテーマを出して、参加者でディスカッションし、その後解説を受ける形だった。また、参加者は、1回限りの参加でも良いため、気軽に誰でも参加が出来た。


ある日、セミナーに、新顔の女性がきていた。

彼女は、ディスカッション中に、変に感情的になり、涙ぐんだり、どうして?! どうして?!と言い募ったり、人の話にしつこく絡んだり、とにかく様子がおかしかった。


セミナーの後、参加者同士で食事に行くのも楽しみだったのだが、その女性も参加、やはり、情緒不安定。同じテーブルになって、ん〜微妙。。


どうしてこの女性、こんなに様子が変なんだろう?とあまりの存在の強烈さに、同席していた人が彼女の知り合いのようだったので、こっそり、彼女どうしたの?と聞いてみた。


そしたら、最近、旦那さんを自殺で亡くされて、閉じこもっていたから、紹介もあって、心理学の会に顔を出した、という話を聞いた。

結構、衝撃的だったので、帰宅してからも、大変だったんだなぁ、と彼女を何度か思い浮かべていたりした。


♢♢♢


翌日、従姉妹とその子供とのお出かけがあった。

1年半ぶりにあった従姉妹の子、大きくなったなぁ、赤ちゃんだと思ってたのに、もう喋ってるよ。

なんて思いながら、並びの席に座る従姉妹とその子供ヒトミちゃんへ身体を向け、話しかけた。


「ねえ、ヒトミちゃん、大きくなったね、保育園に行ってるの?」


すると、ヒトミちゃんが私に向かい、顔を引き攣らせながら、

「.... おばちゃん、怖い! 顔、こっち向けないで!!!」と叫んだのだ。


え?? どういう事?と私が困惑していたところ、


ふと考え込んでいた従姉妹が、あ!っと合点がいったようで、私に

「ねぇ、なんか悪いもの憑けてきたみたいだよ。お祓いしたほうがいいよ。

 うちの家系、昔から憑きやすいじゃない。

 実はヒトミ、視えるみたいでね。。」


え〜〜〜!と思いながらも、なんとなく腑に落ちた。

朝、顔を洗って、鏡を見たら、自分の顔だけど、自分の顔じゃなかったのだ。

少し寝坊して、集合時間もあったため慌てていたから、気のせいとスルーしてしまっていたけど。


従姉妹の言う通り、我が家の家族・親戚、たまに視える人がいたり、

また、視る能力はなくても、憑きやすい体質だったり、そんな家系だった。


従姉妹に、思い当たる事ある?と聞かれ、セミナー参加者の女性について話した。


あ〜それかもね、、

その女性のこと考えたりした?

意識ってね、つながるんだよ。

意識を向けるだけで、女性の悪い憑き物までも、一緒につながってしまうのよ。

ある意味、そのつもりは無くても自分で手繰り寄せてしまったって事。

それで、憑いたんだよ。

旦那さんが自殺しちゃうくらいの悪い憑き物って考えたら、結構やばい、よ。


うわぁ〜〜〜!と、自分の不味い状況に、背中がぞわ〜として、冷や汗が出た。


これはまずい、とすぐ帰宅して、塩と榊のお風呂で、禊のお祓いをした。


鏡の中の自分の顔は戻ってきたけど、身体はまだスッキリはせず、オモイっていう意識があり、完全にはとれてはいない。とにかくしつこい。人を自殺まで導く程たちの悪い憑き物(怒)。

しばらく、なんとなく後遺症みたいなものは残ったが、徐々に薄くなり、ほっとした。


セミナーの主催者に電話をして、実は、と打ち明けたところ、


あ〜、そうだよね、意識を向けると、憑くことあるから、気をつけないとね。

あの女性は当分セミナーに顔出しするから、貴女はお休みされた方が良いと思う。

貴女みたいな人は、例えば、テレビの映像でも、見たら、あちらとつながるからね。

極力そういったものに触れない、見ない、考えない、ようにして過ごす方が良いかも。


と、びっくり、知らなかったけどスピリチュアル?霊的な事を知る人だったらしい。

そしてその人からもアドバイスを頂き、セミナーはそのまま止めてしまった。


♢♢♢

あれから、憑き物に対して、色々、考えていた。なぜ憑くのか、とか。


そして自分は、物事に対して、何故?とか、理屈好きで考察してしまうタイプで、

事件・事故などへも、なぜ?など思考・意識を向けてしまいがちであり、

自分から悪いもの引き寄せていた、ということにようやく気づけた。


無意識にそういう考え方をして生きてきたので、せっかくアドバイスを受けても、

つい、また考えてる、わけだ。

いけない!と気づき、その思考回路を止めさせるのが、もう何年もかかった。。。


結局のところ、私は生きたい。

だから憑き物を引き寄せるわけにはいかない。

少しでも自分のオーラが弱まった時に、憑き物に操られ、踏切や崖の前にいたなんてことはしたくない。

とにかく「こっち見ないで!」なんてもう言われたくない。あれは結構凹んだよ。


あの後、極力、悪い映像・ニュースは、見ざる聞かざる姿勢で過ごしている。

事件と意識をシンクロしない、これが最初のブロックになるからだ。


こうして憑きやすい体質で生きながら、トラップを踏まない程度にはなってきている。


ただね、また別な問題が発生している。

「時事にとても疎い、バカ」になってきていること。


でも現段階の、憑けずに生きるコツでもあるからね、そう割り切って、日々過ごしている。


そのうち、きっと、悪いニュースを見知っても、囚われずに平穏な日常になると信じて。


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