男女の間に友情は成立するか
誤字・脱字、文法の間違い等はスルーして頂ければ幸いです。どんなものでも許せる心の広い方はご覧下さい。
きっかけは些細なことだった
とにかく、君と意気投合して、あっと言う間に友達になった
色々な話をした
趣味や将来、恋愛から日常生活にいたるまで
君の趣味が読書で今はミステリー小説にハマってるとか
実は学校の先生になりたいって思ってたとか
甘えさせてくれる人がタイプとか
何もないところで良く転ぶとか
そんな中で君に受けた報告
『私、告白された!』
普段は男っぽい言動な君が頬を染めて嬉しそうに言った
『ほー、奇特なヤツがいたもんだ』
『ヒドっ!まあ、あまり接点の無い人なんだけどね、付き合ってみようかなあって思って…』
不覚にも照れた仕草がカワイイと思ってしまった
君が俺の知らない誰かと付き合い始め、数ヵ月
最初は手を繋いだとかデートでどこへ行ったとか初々しい惚気話を聞かされていたが、最近は普通に雑談で終わる
元気も無いし、彼氏とケンカでもしたか?と思っていたら、再び君からの報告
「フられた!」
泣きそうな笑顔
「なんで?確か、向こうから告ってきたんだろ?」
「うん…でも、付き合ってみたら何か違うって…それに、重いって…」
とうとう一滴の涙が君の頬を伝った
君はそれを自分の手の甲で拭った
「ハンカチくらい使え」
「もってない」
「どしようもねーな」
貸したくても俺も持ってない
「最初はね、私も相手のこと良く知らなかったんだけど、付き合ってくうちに、優しいとことか、ちょっと不器用なとことか…どんどん好きになって…」
「重いと言われた訳ね」
「うん」
相手は怖ろしくなったのだろう
自分が君を想う以上に
君が自分を想ってくれることに
俺にも多少の経験がある
自分が相手を想う以上に
相手が自分を想ってくれることに
いわれのない罪悪感を覚えてしまう
この罪悪感の扱い方は俺もわからない
まあ、今回のことは言い方が古いが犬に咬まれたと思って忘れるのが1番だろう
「…はあ、もう懲りた」
いつの間にか泣き止み
今度は何かを悟ったような、諦めたような溜め息を吐いた君
「何が」
「私、こうゆうのマジで何回かあったんだよね…」
「告白されてフられるの?」
「そう!告白してきて重いとか!フるくらいなら最初から告るな!」
「まあ、いつかお前が相手を想うのと同じくらいお前を想ってくれる誰かに出会えるだろう、たぶん」
「たぶんって…しかも、いつかって…」
「それまでは俺が側にいるから」
「はい?」
「だから、その誰かに出会うまで安心てフられろ」
「ヒドっ!フられるの前提?!」
もうしばらくは、こんなバカをやって過ごそう
君に誰かが現れるまで
「…ねぇ」
「なんだ?」
「もし、誰かが現れなかったら?」
「俺が誰かになってやろうか?」
「それは………うん、良いね」
「そうか?」
「うん」
「そうか」