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産業を興せ!

 ヤマシタ鉄道の経営も軌道に乗って来た開業3年目、鉄道においては本数を増やす一方で、周辺事業も拡大させることにした。前にも書いたけど、鉄道の運賃収入というのは、商売としてはあまり効率の良いものではない。それに附属する様々な事業を拡張して、初めて大きな収益を得られる。


 最近力を入れ始めたのが、売電事業。これは屋敷の隣に作った火力発電所に続いて、鉱山のあるワジフラ岳近郊にダムを利用した水力発電所も建設して、そこで作った電力を合わせて売電することにした。


 日本の歴史では、電力会社が発電した電気の有効活用として鉄道を開業させた例があるけど、これはその逆だね。


 と言っても、現状満足な電化製品もないので、現状の売電先はうちの会社内での利用か、本当にごく一部の富裕者が、物好きで付けた屋敷内の電灯用くらいだ。


 なので、当初は持ち出しが続くことになるけど、幸いにもこちらは資金に関してはほぼ気にしなくていい。うん、商売を始める段階で金があるって、本当に最高だね。


 もちろん、そうなると並行して行わなければいけないのが人材、電気技師をはじめとする社員の育成だ。とにかく人間さえいれば、いくらでも事業を拡大できる。


 これに関しては、領内で募集した人材に、地球から持ち込んだ教材を使って教育を行う。本当、マンガでわかるホニャララみたいなのが溢れている日本て、最高だな。


 さらにこうした人材は、単に発電や送電に関する事業のみに投ずる気はさらさらない。さっきも言ったけど、電気の売り先はまだ家電製品も普及していないし、動力を利用した工場も領内にはほとんどないために、存在しないも同じだ。


 なので、将来的に家電製品の開発とそれを大量生産するための、工場の立ち上げも行う。つまり、多数養成している人材は、こちらにも投入するというわけだ。


 ここで期待されるのが、我が妻アイリを頼って旧魔王国領からやってきた難民たち。彼らからも広く従業員を募集し、雇用する予定だ。彼らの多くは生業の再開を望んでいて、それを止める気は毛頭ないけど、かなりの割合を占めるその子供たち、特に生業を継ぐことの少ない女の子や次男より下の男子は、将来的には我が領土を支える有望な人的戦力だからね。


 その難民たちが暮らすミライ地区には、難民移送時に設置した仮駅を拡張した新駅も完成。子供たちはその駅から、学校のあるトセ中央駅まで通学している。この世界始まって以来の通学客が誕生し、もちろん通学定期も設定した。


 ちなみに、普通定期(日本で言うところの通勤定期ね)は開業時から制度として設定はしていたけど、そもそも鉄道利用者が少なかったから、開業からしばらくは発売実績ゼロだった。その後チラホラと購入者が出始めて、最近じゃ列車増発の効果もあって大分定着してきた。


 本業も、疎かにはできない。

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