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新たな街、新たな駅

 3本の臨時列車で運ばれてくる難民は、約1000人。その受け入れ地として定めたのが、トセからオジリシ方に5kmの学園都市候補地点だ。学園都市候補地点と言っても、まだ測量が行われた段階で、都市の建設が始まったわけじゃない。


 ただ前準備として、いずれは鉄道の駅の開設が行えるように、本線上にはその用地を確保して側線を敷き、貨車や保線用車両を置いた保線基地としていた。


 今回はこの保線基地の線路を延長して、ポイントを増設して臨時列車の停車を可能とした。さすがにホームを作る余裕はなかったから、木製の乗降台を扉に掛ける方式で対応した。


 そして難民1000人が当座の生活ができるように、急遽方々からテントやその代りになる幕をはじめ、食料、医薬品、生活物資、衣料品を搔き集めた。この物資の輸送と備蓄にも、鉄道は大いに役立った。


 あとは、1000人が生活するスペース分の森林の伐採と聖地だったけど、それに関してはアイリが魔法を使って力押ししました・・・いや~森が半日で整地されるって、本当凄いわ。改めて、夫婦喧嘩をしてはいけないと、自らを戒めた。


 で、そんな難民受け入れ地だが、うちの行政官たちとも話し合って、そのまま受け入れた難民たちを主軸にした街にいずれは開発する方向で一致した。学園都市に関しては、他にも数カ所候補地はあるから差しさわりはない。


 もちろん、最初はとにかく難民を受け入れてテントが並ぶだけだ。ただ元々想定していた学園都市の設計を流用して、学園敷地をいずれ誘致する工場もしくは大規模な公共施設、学校関係者や生徒の寮が並ぶはずだった区画を、住居区画にする。


 ついでに、今回設置した仮設駅も、今後本格的に駅舎やホームの設置工事を行って、正規の駅に格上げする。


 完成までには数年掛かるけど、領内の雇用確保に加えて難民たちからも労働力を募れば、彼らに職を与えられるから一挙両得だ。


 この新都市を、俺はこの街の明るい将来を祈念して、暫定名として「ミライ」と名付けた。もちろん、日本語の未来にかけた名だ。


 まあ、そんな将来のことはこれからとして、とにかく今は目の前の難民たちを何とかしないと。


 着の身着のままやってきた彼らは、空腹でボロボロだ。だから事前にミライには、炊き出しや難民用の浴場、さらにはより本格的な医療行為が行えるように、指定医たちを集めた仮設の病院まで用意した。


 後は疲れ切ってはいるが、異郷の地に慣れない彼らに混乱を来さないか心配氏だけど、幸いなことに、アイリがいてくれたおかげで、列車から降りた難民たちは大きな混乱をすることもなく、こっちの指示を素直に受けてくれた。


 とりあえず、今日のところは彼らにはゆっくり休んでもらって、具体的な状況把握や、今後の生活再建とかについては、明日以降代表者を集めての話合いだな。

 

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