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福利厚生を充実せよ!

 医療制度もそうだけど、社員の福利厚生の充実は重要だ。何せ、鉄道業務は何にも増して安全第一。加えて、客商売である以上乗客へのサービスも欠かせない。となれば、提供する側の社員の士気や意識を常に保って、高いパフォーマンスを発揮してもらわなきゃいけない。


 パフォーマンスが下がれば、それだけで安全に響く可能性が高い。ましてや、ほぼ機械化されていない、手作業頼みの現在のレベルの鉄道では尚更だ。社員がやる気なくした結果、大事故に繋がりましたなんて、縁起でもない。


 という訳で、社員の福利厚生制度を色々と準備した。


 その中でも社員から喜ばれたのが、社食の提供と勤務時間中の弁当の支給。


 社食は食堂を利用する人数が、ある程度揃わないといけないので、設置したのは本社機能も併設するトセ中央駅と、大規模な貨物駅のあるワジフラ駅、そしてトセの東隣にある機関庫を併設するクオ駅の3カ所だ。


 食事も社員のモチベーション維持には重要なことだから、色々な種類の食事を出せるように、開業前から食堂専門の社員を雇って養成した。


 そしてここでも役に立ったのが、俺の勇者としての能力、すなわち現代日本から好きな資料を取り寄せられるという能力だ。


 料理に関する本を取り寄せて、和洋中の料理を作らせたというわけだ。もちろん、材料や調味料の限界で何でも再現とはいかなかったけど、それでもこの世界にはない料理をかなり提供できている。


 週に1回は、俺も社員食堂に顔を出して味のチェックを兼ねて食べているけど、短時間とは言えちゃんと専門の職員を養成した甲斐があった。今のところ、マズかったことはないし、衛生事故も起きていない。


 ちなみに、1番人気はカツカレーらしい。ガッツリいけて、しかも手早く食べられるのが現業職の社員から支持される理由だそうだ。


 で、社食が使えない社員に対しては、弁当を支給することにした。これについては、最初食費相当の現金を支給する案もあったけど、経理部門から「絶対に飯抜いて懐に収めるやつが出ますよ」と指摘されて、中止したんだ。


 かと言って、社食を出す職員と差をつけるわけにもいかないから、その代替案が弁当だ。


 社食だったら暖かい食事も食えるし、メニューも選べられる。だから、弁当だと福利厚生メニューとしては社食に比べ、ワンランク落ちるということになる。


 だから、弁当は無料提供として、社食は低価格提供にした。社食の場合は、弁当との差分を支払ってもらうという考え方にしたわけだ。


 社食組から文句が出るかなと思ったけど、幸いなことに今のところこの制度には文句が出てないのは何よりだ。


 社員たち曰く「こんだけ美味くて珍しいものを食わせて貰えて、文句なんか言ったら罰が当たるとのこと」


 今後通信技術が進めば、例えば弁当の種類を増やしたり、オプションで何かを付けたりということも考えられるな。社食の方も、一般への解放とかも出来たらしたいところだね。


 俺の世界の日本でも、社員食堂を一般開放して、密かに穴場になっている所とかあったし。ああいう風景を、こっちの世界でも、いつか作れたらなと思う。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公はテツでも撮り鉄ではなく乗りテツかジオラマなどモデラーの様で良かったですね 今はほとんど列車では食べれない駅弁復活とか路線造りとか趣味が全開で幸せそうでなにより 日本人以外は基本毎日の…
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