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機関車を作れ!

 路線の建設も順調に進み、開業の目処は立った。だけどもちろん、それで終わりじゃない。


 鉄道をシステムとして機能させるためには、様々なものが必要だ。線路だけじゃなく、駅であり、信号設備であり、そしてそこを走る車両だ。


 ようやく産業革命をなしたばかりのこの世界では、現状鉄道の動力源は人力、馬力、そして蒸気だけだ。


 他に、この世界特有の魔力を使うという選択肢もあったけど、安定性とコストからこれはパス。


 魔法は、機械には出来ない様々なことができるけど、動力源として魔石に封じ込めたとしても、一定の出力を保つことが不可能なんだよね。しかも、煙を吸うだけの防煙器と違って、動力として使うとなれば、重い機関車を動かし、さらに客車と貨車を牽引するだけの莫大なエネルギー産み出す必要がある。


 だから、国鉄の開業に向けて準備に入った時期に、魔術師や魔法使いに集まってもらって、機関車の動力源に魔法を使えないか訪ねたことはあるけど、結論は「できないことはないけど、非現実的」で揃っていた。


 そう言うわけで、この世界の鉄道も始まりは蒸気機関となった。そして、日本から俺が取り寄せた資料によって作ったから、国鉄で使っている蒸気機関車も、明治初期に日本で使用されていた機関車と大差ない。


 できれば傑作機関車と名高いD51とか9600を造りたかったけど、産業革命を迎えたばかりのこの国ではさすがに不可能で、堅実に地球での技術発展をなぞることにした。


 で、最初の頃の機関車は、機関車単体に石炭庫と水タンクを備えたタンク式機関車だけだったけど、最近では後部に炭水車を連結したテンダー式機関車の製造も始まっている。


 ちなみに、日本の蒸気機関車と言うと動輪の数を表すC~とかD~とかが有名だけど、それ以前の機関車は数字だけだったり、さらに言うと規定の改定で番号が何度も変わったりしているから、鉄道ファンから見ても中々ややこしい。


 なのでこの世界では、そうしたことが起きないように普通に動輪を示すアルファベットに、開発された順番を形式にしている。ちなみにこの世界、文字はちょっと形が違うけど、地球と同じ26種類のアルファベットを使ってくれているから、ありがたい。


 最初に作られた機関車動輪2軸だったので、B1型機関車。これが39両作られたところで改良型に移って、現在はB2型機関車になっている。ナンバープレートはそれぞれ「B1ー○○」「B2-○○」となる。


 さらに、今国鉄で製造中なのが、動輪2軸で炭水車が付いたテンダー式機関車で、これは仮称B3型になる。今回うちの会社でも、これの準同型機を採用する。


 準同型なのは、一応軌間を標準軌としたから、それに伴い新たな形式を起こした結果。仮称B4型機関車。これが、うちの会社に最初に配備される予定の機関車だ。


御意見・御感想お待ちしています。


作中登場のB3型ならびにB4型機関車のイメージは、5500形蒸気機関車となります。

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― 新着の感想 ―
[一言] ふと思ったのですが、魔法は煙を吸う防煙器しか利用できなくても、復水器くらいなら作れるんじゃないでしょうか?冷やせばよいだけですし。 復水器を小型効率化できれば、蒸気タービン機関車、蒸気ター…
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