表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/53

目指せ!マイ・レール!

 以前から考えていた異世界召喚での鉄道ネタ。とりあえず、冒頭分だけ形になったので掲載してみます。


 今後連載が続くにしても、1話は1000から1500程度の短いテンポで行くと思いますが、よろしくお願いいたします。

 30代半ばの現代日本に生きる俺は、ある日テンプレとも言うべき異世界召喚によって、このルーレ王国に魔王を倒す勇者として召喚された。


 おいおい、大学卒業後アルバイトと病気療養に5年近く費やし、一昨年ようやく地方公務員の事務職になった俺に、勇者なんて無理無理!・・・と思いきや、何と俺の勇者としての特典は、異世界からの書物を好きなだけ取り寄せられるというもの。


 そう言うわけで、現代地球で出ていた戦略、戦術に関する書物や、蒸気機関や小銃などの製造法が載った本をお取り寄せして、ルーレ王国を一気に近代化してやったぜ!


 環境破壊?大量殺戮?・・・あのね、こっちは生きるのに精一杯なの!下手すると王国ごと魔王に潰されるかもしれないっての!だから手段選んでられません!


 それに、いきなり原爆とか毒ガスとか、そんなヤバいもんは流石に俺自身許さないって!


 まあ、それでも日露戦争レベルの軍隊にはなったんじゃない?三八式歩兵銃もどきに、28cm榴弾砲もどきに、初歩的な迫撃砲に機関銃。海軍は鋼鉄製の蒸気軍艦。流石に空軍は無理だったけど、それでも飛行船は完成。飛行機も初歩的なものを試作中まで漕ぎ着けた。


 という訳で、こうして近代化した王国軍の力押しで魔王軍を壊滅させて、魔王国は降伏。


 俺も勇者としての大任を終えて、公爵位と屋敷と貴族年金を貰って、めでたしめでたし・・・・


「な、わけあるかあああ!」


 と、俺。山下助雄公爵は心の底からの叫び声を、侯爵邸の執務室で上げた。


「旦那様。うるさいです」


 そんな俺に、冷たい声を掛けてくる魔族のメイド。元魔王のアイリが、俺の前に紅茶と茶菓子を差し出して来た。


「だってさ!魔王討伐も終わって、王国も平和になって、公爵位と屋敷も貰って悠々自適な生活を送れるようになったんだぞ!」


「それの何が不満なのですか?こうして倒した魔王を、奴隷メイドとして扱き使えるようにもなって、これ以上何をお望みだと言うのです?もしかして、夜の方ですか?でしたら、私がいくらでも「違う!」


 そりゃ俺だって男だから、そっちの欲望だってないとは言わないけどね、そう言うのじゃない!


「鉄オタなのに、鉄道趣味を楽しめない今の環境を嘆いてるんだよ!!」


 そう、俺は自他ともに認める鉄道オタク。向こうにいた時は乗りに行ったり、模型集めたり、記念切符買ったりと、それなりに充実した鉄オタライフを楽しんでいたのに!


 こっちの世界じゃ、楽しみようがないんだよな。鉄道と言えば、今回の戦争のために作った国鉄の幹線が数本だけ。それも軍事最優先で、先日やっと一般に開放したばかり。ついでに、一番近い駅は俺の屋敷から10kmは離れてるし!


 馬車か徒歩しかないこの世界じゃ、見に行くだけでも一苦労だわ!


 もちろん、そんな状態だから趣味として楽しめる環境もまだない。


 せっかく地位も金も時間も手に入ったのに、これじゃあ宝の持ち腐れだ。


 すると、アイリが呆れたように言った。


「だったら、自分で作ればいいじゃないですか?」


「何?」


「そのテツオタとか、テツドウシュミが何なのかは知りませんが、ないなら自分で作ればいいじゃないですか?お金も権力も時間もあるのですから」


 む、流石元魔王。ないなら作れ!とは。その発想はなかったな・・・


 だったら!


「なら、いっちょ作ってやりますか!鉄オタ究極の夢!・・・マイ・レール(自分の鉄道)を!」




御意見・御感想お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] また連載増やしたんですか!?(いいぞ!もっとやれ)
[一言] 私鉄(ガチ)ですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ