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白貝  作者: 黄金天狗
49/55

#49

#1



「ハナコちゃんは何だって?」

「いや、大した事は書かれていないよ。向こうで元気にしているそうだ」

「そうかいそうかい」


「そう言えば、ハナコちゃんは昔、ふらっとどこかからかこの町に来たよな」

「そうだな。確か、孤児院の人手を探してた時に来たんだ」

「良い時機だったな」

「...運が良かったな」

「...ゲンちゃん、痩せたか?」

「そうかもしれない。最近食欲がないからな」

「病気か?」

「そうだな。誤魔化しながら頑張ってるさ」

「あんま無理すんなよ」

「ありがとう。タケさんも気をつけろな」


振り返れば、長いようで、短い日々だった。

最後の心残りも片付いた。

私の役割も終わった。倅達にも既に話は済ましてある。

.........。

......。

...。


寝ていたのか。

外は暗い。夜のようだ。

手を見ると、手の横に霞の花が置いてある。

...そうか。彼女は来ていたんだな。



#2



「様子はどうでしたか?」

「タケさんとの会話からだと少し体調が悪いみたいだね」

「そうですか。傍にいたかったですが、こちらの仕事を抜け出せません」

「ハナコさん大丈夫だよ。あたしも引き継ぎまではちゃんと見るからさ」

「お願いします」


「女将さんがこの町に直接来るなんて珍しいですよね〜」

「それだけ、この町が特別なのですよ」

「そうなんだ」


---


この町に来るのは久しぶりだ。

町は変わったが、匂いは変わらないわね。


スラッとして綺麗な人だな。


...あら?こちらを見ている。


あ、こっち向いた。失礼だったかな。

とりあえず会釈をしないと。


...私に気づいているなんて。

少し驚くことがあるものね。


わわわ、こっちに来た。

「こんにちは」

「こんにちは。見つめてしまってすいません」

「私に何かついていたかしら」

「い、いえ。ただ、綺麗な方だなと思ったので」

「あら。褒め言葉をいただけるなんて嬉しいわ」

「は、はい」

「道を尋ねたいのだけど、この辺に茶店があったと思うのだけど、知っているかしら?」

「茶店ですか?知ってますよ。案内しましょうか?」

「優しいのね。でも、悪いわ」

「大丈夫です。運動も人助けも大切ですから」

「では、お言葉に甘えようかしら」


...ますますこの子面白いわ。

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