#49
#1
「ハナコちゃんは何だって?」
「いや、大した事は書かれていないよ。向こうで元気にしているそうだ」
「そうかいそうかい」
「そう言えば、ハナコちゃんは昔、ふらっとどこかからかこの町に来たよな」
「そうだな。確か、孤児院の人手を探してた時に来たんだ」
「良い時機だったな」
「...運が良かったな」
「...ゲンちゃん、痩せたか?」
「そうかもしれない。最近食欲がないからな」
「病気か?」
「そうだな。誤魔化しながら頑張ってるさ」
「あんま無理すんなよ」
「ありがとう。タケさんも気をつけろな」
振り返れば、長いようで、短い日々だった。
最後の心残りも片付いた。
私の役割も終わった。倅達にも既に話は済ましてある。
.........。
......。
...。
寝ていたのか。
外は暗い。夜のようだ。
手を見ると、手の横に霞の花が置いてある。
...そうか。彼女は来ていたんだな。
#2
「様子はどうでしたか?」
「タケさんとの会話からだと少し体調が悪いみたいだね」
「そうですか。傍にいたかったですが、こちらの仕事を抜け出せません」
「ハナコさん大丈夫だよ。あたしも引き継ぎまではちゃんと見るからさ」
「お願いします」
「女将さんがこの町に直接来るなんて珍しいですよね〜」
「それだけ、この町が特別なのですよ」
「そうなんだ」
---
この町に来るのは久しぶりだ。
町は変わったが、匂いは変わらないわね。
スラッとして綺麗な人だな。
...あら?こちらを見ている。
あ、こっち向いた。失礼だったかな。
とりあえず会釈をしないと。
...私に気づいているなんて。
少し驚くことがあるものね。
わわわ、こっちに来た。
「こんにちは」
「こんにちは。見つめてしまってすいません」
「私に何かついていたかしら」
「い、いえ。ただ、綺麗な方だなと思ったので」
「あら。褒め言葉をいただけるなんて嬉しいわ」
「は、はい」
「道を尋ねたいのだけど、この辺に茶店があったと思うのだけど、知っているかしら?」
「茶店ですか?知ってますよ。案内しましょうか?」
「優しいのね。でも、悪いわ」
「大丈夫です。運動も人助けも大切ですから」
「では、お言葉に甘えようかしら」
...ますますこの子面白いわ。




