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白貝  作者: 黄金天狗
46/55

#46

#1



「タカシ、資料できたぞ」

「シュウ、ありがとう。いつも手伝ってくれてありがとう」

「他にはないか?」

「もうないよ」

「そうか」

シュウはパソコンに向き直り、キーポードを叩き始めた。

「サイトウ」

「はい」

タカハシさんの机に向かうう。

「どうしたんですか?」

「いや、資料の置き場を聞きたくてな」

「ああ、ここのフォルダに入れてますよ」

「助かった。ありがとう」

「良かったです」


---


「サイトウ、先日は悪かったな」

「何の事ですか?」

「いや、前の資料のことだ。少しきつく物を言ったと思ってる」

「そんなことないですよ。気にしないで下さい」

「悪いな」

タカハシさんは水を飲んだ。

「奥さんは元気ですか?」

「ああ、お陰様でな。一時はどうなるかと思ったが、今は順調に回復してるよ」

「本当に良かったですね」

「皆には苦労かけたよ」

「お互い様ですよ。私もいつも皆に助けられていますし」

「サイトウ、お前は良くできた奴だよ」

「タカハシさんに褒められると嬉しいですね」

「お待ちどう様です」

「来たか。さぁ食べよう」

「はい」



#2



「いらっしゃい」

「どうも、ナナシの爺様」

「まぁ、座りなさい」

「よっこいしょと」

「そんなに疲れたか、都会は?」

「長く移動すれば疲れるものさ。都会はまぁ色んな人がいるけど、あなた程、特別な人はいないよ」

「ほほほ、そりゃ残念だ」

「都会の者たちと話をすると、幻想を抱いている者が多くてな、なかなか離れようとしない」

「未練でもあるのかな?」

「はっはっは、違うさ。そうだったらもっと楽だろうさ」

「ふうん。この年齢でも分からない事があるもんだな…」

「世迷言を。爺様の言葉は時々本当か嘘か分からない。俺を揶揄うのは良してくれ」

「ほほほ」

「それよりもあんまり今日は連れ帰れなかったよ。爺様は都会に暮らした事があるだろう?何か良い案はないか?」

「あるが、長くは住んでいないさ。体が大きいから人の迷惑になるからな」

「まぁいい。自分で考えよう」

「ほほほ」

「都会でもあれの噂が広がっているぞ。あれが渡ることが珍しいとな。爺様、何か理由を知っているか?」

「検討もつかないな...」

「...この狸め」

「ほっほっほ。ぽんぽこりんとな」

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