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白貝  作者: 黄金天狗
37/55

#37

#1



いつもの様に屋敷の前に掃除してると、約束されていた二人がいらした。

「いらっしゃいませ。コンドウ様」

「どうも、タチバナさん。レイヤ君はいるかね?」

「はい。こちらへどうぞ」


---


「相変わらず、タチバナさんのお茶は美味しいな。お茶の風味が口の中に広がる」

「恐縮でございます」

コンドウ様が湯のみを置くと、ふすまが開いた。

「コンドウ爺、よくいらした」

レイヤ様はコンドウ様と反対の席に座った。

「レイヤ君、あの場所は気に入ったかな?」

「ええ、前から良いと場所だと思ってましたので。徐々に集まっていますよ」

「そうか」

「にしても、コンドウ爺、手放しても良かったのか?」

「ああ。あの子供達も無事に良い里親の元に行った。それにハナコ君達が今後も子供達を見てくれると言っている。私の倅達にも既に相続は済ませている。途方のないあの財宝も恩人に渡した。思い残すことはもうない」

「皆、あそこは良い場所だと楽しく話しておりますよ。コンドウ爺の善行の賜物だな」

「そうであれば何よりだ」



#2



「ゲンちゃん!」

「おータケさん」

「どっか行ってたのか?」

「ああ、ちょいとね」

「帰るところか?」

「そうだな。この後は特に用事もないから帰るだけだな」

「なら、久しぶりに飲みに行くか?」

「それは良いな」


---


「コンドウの爺様は相変わらず何でも一人でこなしてしまうな」

「コンドウ様らしいではないですか.」

「そうか...」

レイヤ様は顎に手を当てて少し俯いた。

「なぁ、フミコ」

「はい」

「この町はどんな町だったんだ?」

「そうですね。今と変わらずいい町でしたよ」

「そうか」

レイヤ様は顔を上げた。

「一つの時代が去り、新しい時代が来るか。新しい時代が育つまで己の責務を果たすとしよう」

「レイヤ様なら大丈夫です」

「ありがとう」

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