#34
#1
「こんにちは」
「こんにちは」
「いつもサチコにもお菓子などをくださってありがとうございます」
「どういたしまして。でも、いつもサチコさんにはお世話になっていますから」
自販機でお茶を二つ買い、一つをタカシさんに渡した。
自販機横のベンチに座り、お茶のペットボトルを開けて飲んだ。
「サチコから聞いたんですが、シュウゴくんは隣町に行くんですか?」
「そうなんですよ。隣町なので、通ってもいいと言ったんですが、一人暮らしが良いって聞かなくて。」
「なるほど。もう部屋は決まっているんですか?」
「今度一緒に見に行く予定です」
タカシさんはお茶を飲み、前を向いた。
「懐かしいな。一人暮らし」
「今では奥さんもいらっしゃいますからね」
「はい。昔は一人暮らしをずっとしていたから慣れていましたけど、今では考えられないですね。誰かがいてくれるのはやっぱりいいものですよ」
タカシさんは温かい笑みを浮かべていた。
「でも、唯一の心配がシュウゴは大抵一人でしてしまうので相談をあまりしてくれなくて。辛くなったりしたら相談してくれると嬉しいんですけど」
「大丈夫ですよ。彼もわかっていますよ。」
「そうであれば嬉しいですよ、本当に」
「それで同僚が過保護なんですよ」
「ははは。いいことじゃないですか」
「でも、からかっていると思うんですよね。優しくされ過ぎるので」
「いい同僚ですね」
「でも、真剣に考えることが多いので、助かりますよ。考えすぎることを直したいです...」
「だから同僚はからかっているのではないですか?」
「それもあるのかもしれません」
「リュウゴさんは料理できるんですね」
「昔はしていたんですが、今ではシュウゴが台所を占拠しているので、勝手に料理できなくなってしまって...」
「そうだったんですね。今度、リュウゴさんに料理教わりたいですよ」
「いいですよ」
「本当ですか?」
「ええ。休みの日には特に勉強したり、練習する以外は特にやることもないので、問題ないですよ」
「それは良かった。ではお言葉に甘えて、今度教えてください」
「わかりました」
#2
「ただいま」
「おかえりー。何かいいことあったの?」
「え?うーんとまだ秘密」
「えー秘密?」
「そうだよ」
「んじゃ、今度教えてね」
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「へーそうなんだ」
「うん。だから今度教えることになってな」
「兄さんも誰かと一緒に料理するようになるなんて、何だかほっとするよ」
「これも私のおかげだね!!」
「...マモ姉は何もしてないでしょ」
「そんなことはないのだ!」
「全く。兄さん、おかわりする?」
「うん。ありがとう」
「私も〜」
「さっきもおかわりしたでしょうに...。兄さんの後ね」
「うしし」
「はい。兄さん。」
「ありがとう。うん。白米はうまいな」




