#30
#1
「タケさん、これ。おまけ」
「お、シンゴちゃん、ありがとう。でも、どうしたんだ?」
「いや、仕入先の農家さんが作り過ぎたから、大目に送ってくれたんだよ。だから、みんなにおまけであげてるんだよ」
「なるほど、そりゃ嬉しいな。よし!俺も多めに野菜買って、漬物にして持ってくるぞ」
「ありがとう。でも、買わなくても大丈夫だよ。もらってくれるだけで嬉しいよ。野菜も早く食べないと悪くなっちまう」
「そうか。んじゃ、今度作ったやつ持ってくるな」
「ありがとうよ」
#2
「カナちゃん、いらっしゃい」
「お邪魔しまーす」
「あれ?野菜?」
「うん。お父さんが仕入先の農家さんが多めに野菜くれたみたいで多くもらったから、お裾分け」
「ありがとう」
サッちゃんは野菜の入った袋を受け取った。
「お、たくさんだから重いね」
「そうだね。気をつけて」
サッちゃんは野菜の入った袋を持って、台所に向かった。
「お茶いれるから待ってて」
「ありがとうー」
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「体調はどう?」
「んー特に問題ないかな。みんな心配しすぎだよね」
「一番心配しているのは、タカシさんでしょ?」
「あたり。まぁそんなところがいいんだけどさ」
「惚気てるねー」
「そりゃ夫だしね。でも、最近は顔色も良くなってるみたいだから考えの整理がついたのかもね」
「タカシさん、いろいろ気にするからね」
「もうちょっと心配しすぎてる方が可愛いけどね」
サッちゃんは意地悪そうに笑った。
#3
「あれ?兄さん。こんなに買ってきたの?」
「いや、シンゴさんが持って行けってたくさんくれたんだよ」
「そうなんだ。今度お礼に惣菜作るから持って行ってくれる?」
「おう」
シュウゴは野菜を台所に持って行って、冷蔵庫を開いた。
「うーん、野菜たくさんあるから今日の夕飯どうしようかな...」
シュウゴは冷蔵庫と台所に目をやり、考え込んでいる。
「兄さん、何か食べたいのはある?」
「シュウの作るものなら何でも嬉しいけどな」
「そうか〜」
「とうっ!」
窓からマモリの声がしたので、振り向くとベランダにマモリがいた。
「マモリ、今日は野菜がたくさんあるぞ」
「何と!!」
マモリは軽快に台所に向かい、シュウゴを後ろから抱きしめた。
「シュウちゃん!今日は何を作ってくれるんだい?」
「マモ姉は何食べたい?それと鬱陶しい」
シュウゴは迷惑そうな目でマモ姉を睨んでいる。
マモリはそれに構わず、シュウゴに頬を擦り付けている。
「そうだな〜。あったかいものでも食べたいな」
「あったかいものね」
シュウゴは冷蔵庫の中を再度確認している。
マモリはまだシュウゴに抱きついている。
「よし。んじゃ、鍋にしよう。料理するからマモ姉は食卓で待ってて」
「ほーい」
マモリは楽しそうに食卓に着いた。
「鍋は久しぶりだけど、美味しそうだな」
「二人とも待っててね」
シュウゴはエプロンをして、料理を始めた。




