#28
#1
「ケイコさん、子供のことで悩む事ありますか?」
「うーん、あたしはあんまり悩まないね。娘達の方が私よりも悩んでるかもね」
「そうなんですね」
ケイコさんは洗い物をやめて、腰に手をついた。
「まぁ、誰だって多かれ少なかれ悩む事はあるさ。あんたも困った事があったら話しにおいで。大した事は出来ないけど、話は聞くからさ」
「ありがとう、ケイコさん」
「悩み事が多くなったら、美味しいご飯食べて、散歩して、寝ること!体力つければ心も元気になるさ」
#2
「カナさん、サチコさん、こんにちは。」
「こんにちは」
「こんにちは」
「何を話されているのですか?」
「世間話ですよ」
「そうですか」
「そうだ、ナナシさん。悩むことってありますか?」
「そうですね。大したことはないですが、小さな悩みがありますね」
「どんなことですか?」
「例えば、毎日の食事をどうするかとか、お客様へ提供するものを考えたりとか些細なことですが、いろんなことを考えてますね」
「悩みごとが多くなった時はどうしますか?」
「ふーん。悩みを直接解決はしないですが、美しい曲を聴きながら、美味しいお茶を飲むと心にゆとりが生まれます。そうすると心にゆとりが生まれます」
「なるほど...」
「お茶は体に、曲は心にそれぞれ癒しを与えてくれます。時間の流れは変わらないですが、過ごし方で心の流れは変えられますよ」
「深い話ですね」
「ほほほ。年の功ですね」
#3
「タカシ、なんかあったか?」
「え?」
シュウが隣の席からこっちを向いてた。
「お前は顔に出すぎなんだよ」
「そうかな?」
「そうだよ。ったく、とりあえず休憩しに行くぞ」
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シュウは自販機から2つ缶コーヒーを持ってきた。
「ほら、いつもの」
「ありがとう」
シュウは隣に座り、缶を開けて飲んだ。
俺も缶を開けて飲む。
美味しい。
「んで、何があったんだ?」
「いや、困ったことではなく、嬉しいことなんだけど、頑張らないとなと思ってさ」
シュウはコーヒーを飲んでからこっちを向いた。
「大体予想はつくけどな。お前は真面目すぎるんだよ。頑張るなら力を抜かないと」
「力を抜く?」
「そうだ。筋肉だって伸びたり縮んだりするから前に進めるんだ。だから頑張るなら、休憩や気を抜くことも覚えないとな」
シュウは肩をポンと叩いた。
「そうだね。ありがとう」
「おう」
コーヒーをもう一口飲んだ。
やっぱり美味しい。




