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白貝  作者: 黄金天狗
28/55

#28

#1


「ケイコさん、子供のことで悩む事ありますか?」

「うーん、あたしはあんまり悩まないね。娘達の方が私よりも悩んでるかもね」

「そうなんですね」

ケイコさんは洗い物をやめて、腰に手をついた。

「まぁ、誰だって多かれ少なかれ悩む事はあるさ。あんたも困った事があったら話しにおいで。大した事は出来ないけど、話は聞くからさ」

「ありがとう、ケイコさん」

「悩み事が多くなったら、美味しいご飯食べて、散歩して、寝ること!体力つければ心も元気になるさ」


#2


「カナさん、サチコさん、こんにちは。」

「こんにちは」

「こんにちは」

「何を話されているのですか?」

「世間話ですよ」

「そうですか」

「そうだ、ナナシさん。悩むことってありますか?」

「そうですね。大したことはないですが、小さな悩みがありますね」

「どんなことですか?」

「例えば、毎日の食事をどうするかとか、お客様へ提供するものを考えたりとか些細なことですが、いろんなことを考えてますね」

「悩みごとが多くなった時はどうしますか?」

「ふーん。悩みを直接解決はしないですが、美しい曲を聴きながら、美味しいお茶を飲むと心にゆとりが生まれます。そうすると心にゆとりが生まれます」

「なるほど...」

「お茶は体に、曲は心にそれぞれ癒しを与えてくれます。時間の流れは変わらないですが、過ごし方で心の流れは変えられますよ」

「深い話ですね」

「ほほほ。年の功ですね」


#3


「タカシ、なんかあったか?」

「え?」

シュウが隣の席からこっちを向いてた。

「お前は顔に出すぎなんだよ」

「そうかな?」

「そうだよ。ったく、とりあえず休憩しに行くぞ」


---


シュウは自販機から2つ缶コーヒーを持ってきた。

「ほら、いつもの」

「ありがとう」

シュウは隣に座り、缶を開けて飲んだ。

俺も缶を開けて飲む。

美味しい。

「んで、何があったんだ?」

「いや、困ったことではなく、嬉しいことなんだけど、頑張らないとなと思ってさ」

シュウはコーヒーを飲んでからこっちを向いた。

「大体予想はつくけどな。お前は真面目すぎるんだよ。頑張るなら力を抜かないと」

「力を抜く?」

「そうだ。筋肉だって伸びたり縮んだりするから前に進めるんだ。だから頑張るなら、休憩や気を抜くことも覚えないとな」

シュウは肩をポンと叩いた。

「そうだね。ありがとう」

「おう」

コーヒーをもう一口飲んだ。

やっぱり美味しい。

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