#27
#1
「タカシ、今日はいつもより早いな」
「ああ、ちょっと買い物しないといけないから」
「そうか。んじゃまた来週な」
「うん。また来週」
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帰り道を歩いていると不思議な雰囲気の人が立っていた。
その人は道端に咲いている花を見ているようだった。
そのまま通り過ぎようと彼の横を通った。
「ん、そこのお方」
不意にその人が後ろから声をかけてきた。
「私ですか?」
「はい。あなたです」
不思議な人はこちらを見ていた。
「そうですか。どうかしましたか」
「いえ、大したことではないのです。あなたに助言を一つ」
その人は笑顔で続けた。
「奥様の好きな食材を買っていくといいですよ。今日は良いことが起こりますから」
「へ?」
「それでは、失礼」
その人は丁寧にお辞儀をした後、行ってしまった。
不思議な人だな。
でも、サチコの好きなものか。
最近、お土産買ってないから買って帰るか。
#2
「こんにちは」
「あら、タカシさん。いらっしゃいませ。どうかされましたか?」
「えーと、こちらのお茶を買いに。」
「そうですか。今日はどのようなものにされますか?」
「今日は緑茶のこれでお願いします。」
「承知しました。」
エーコさんは手際よくお茶を袋に入れて渡してきた。
代金を渡し、お釣りを受け取った。
「いつもありがとうございます。」
「こちらこそありがとうございます。そういえば、この前サチコさん嬉しそうにされてましたよ」
「嬉しそう?」
「はい。理由を聞いてないのですか?」
「そうですね。帰ったら聞いてみます」
「それが良いと思います。」
「それじゃあ」
「はい。また次回もお待ちしております」
エーコさんは深々と頭を下げていた。
#3
「ただいま」
「おかえり」
「はい、これ」
「ん?どうしたの?わー!これみたらし団子だ!」
「いつもサチコが買っているところに行って買ってきたんだ。後で食べよう」
「うん!ありがとう」
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サッちゃん、今頃ちゃんとタカシさんに話してるかな?
「カナ、何ニヤニヤしてるんだ?」
「へ?あーまだ秘密〜」
「何だそりゃ」
「そのうち、話すけど今はまだダメだよ」
「そうか」
「それじゃお父さん、ご飯にしよう。準備するから待ってて」




