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白貝  作者: 黄金天狗
26/55

#26

#1


「シュウゴさん、今日も上手にできましたね」

「はい。兄さんやカナさんも喜んでくれます」

「それはよかった」

エーコさんはできた菓子を綺麗な皿に乗せた。

その後、エーコさんはいつものように菓子の写真を撮った。

「エーコさん、今日の写真はよく撮れましたか?」

「ええ、撮れました。今度またお見せしますね」

「ありがとうございます。写真を撮ってくれるおかげで見映えも考えるようになりました」

「それはよかったです。食事やお菓子は目からも楽しめるとより食べていただく方に喜んでいただけますよ」

「わかりました。」


#2


「お、シュウ。今日も料理の写真を撮ってるのか?」

「うん。この前、エーコさんから料理の見た目について習ったからね」

「そうなのか。写真は結構取れたのかな?」

「うん、見てみる?」

シュウはいつも料理の写真を入れているアルバムを渡してくれた。

「ありがとう」

中を見ると今まで食べたものやエーコさんのところで作ったお菓子の写真が入っていた。

「だいぶいろんな料理作ったんだな。全部美味しそうだ」

「兄さんもだいぶ食べてるじゃん」

「確かにそうだな」

ある程度料理の写真を眺めていると、シュウが料理を机に運んできた。

「兄さん、そろそろ食べよう」

「そうだな」

---

食器を洗い終わり、居間に戻ると兄さんはアルバムを見ていた。

「兄さん、料理の写真まだ見てるの?」

「いや、違うよ。これは昔の写真」

よく見てみると兄さんは料理のアルバムではなく、昔の写真のアルバムを見ていた。

「懐かしいね」

「ああ、シュウはこんなに小さかったのに大きくなったよ」

「兄さんの方がまだまだ大きいよ。あと、兄さんはこの頃から頭ボサボサ」

「ははは。髪型にこだわりないからな俺は」

「今では髭もある分、余計不潔に見えるよ?そんなんじゃ、カナさんに嫌われちゃうよ」

「う、うん」

「全く、カナさんに申し訳ないよ」

兄さんは気まずい顔をしながら頭を掻いていた。

少しいじめすぎたかな。

「明日もカナさんへお菓子持って行ってね。その前にちゃんと髭剃ること」

「わかったよ」

兄さんは笑いつつ、アルバムを棚に戻した。


#3


その暗い部屋にはたくさんの本が並んでいる。

暖かい光があり、棚の本は綺麗になっている。

そこにはエーコが一つの本を手にとっていた。

その本は写真が入れられているアルバムだった。

エーコは大切そうにアルバムを眺めている。


「エーコ。」

「ああ、ナナシさん」

「今日もいい写真は撮れましたかな?」

「はい。とってもいい写真が撮れました」

「そうか」

ナナシは一冊のアルバムを棚から取り、開いた。

「懐かしいね。昨日のことのように思い出すよ」

「みなさんいい人だったね」

「そうだね。みなさん、いい人でした」

ナナシは手のアルバムをそっと閉じて棚に戻した。

「いつも世も変わらないね」

「はい。変わりません」

ナナシはエーコに微笑み、部屋を出ようとした。

「後で、お茶を一杯いただきたい」

「はい」

ナナシは部屋を出て扉を閉めていった。

エーコは手のアルバムを再度眺め始めた。

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