#25
#1
「ゲンさん、ここで何してるの?」
「うん、ここの孤児院を閉めてからしばらくするが、子供達の声が聞こえなくなったのは寂しいなと考えていた」
「でも、みんな元気にしてるでしょ?」
「ああ、そう報告も来ている。里親の人達も子供達をしっかりと面倒見てくれているから問題ないようだ」
「ハナコさんからは連絡は問題なく来てる?」
「ああ。手紙で向こうでもしっかりと働いているそうだ」
「それならよかった」
「マモリもそろそろ離れてしまう時期だろうに」
「うん。でも、まだ配属先は決まってないから待機してるんだよね」
「この時期まで決まらないのは珍しいな」
「実は配属先の希望を出してるんだよね」
「ほお。そこに行けるといいな」
「そうだね」
「もしかして、彼を追っていくのか?」
「それは秘密」
「そうかい、そうかい」
「んじゃ、ゲンさんまたね」
「おう。風邪をひかないように気をつけなさいな」
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猫を見ながら、思う。
いつの時代も子供達の成長は早い。
#2
「シュウ、窓の外に何かあるのか?」
「ん?何にもないよ」
シュウは視線を食卓に戻し、夕飯を食べている。
「今日も学校はどうだった?」
「学校では新しい分野を学んでいるけど、先に勉強してたから特に問題なかったよ」
「相変わらず、シュウは先取りして勉強してるんだな」
「うん」
シュウは昔からアサコちゃん達にも勉強教える為に前もって先に勉強したりしてるんだよな。
「進路については先生にも話したのか?」
「うん。先生に相談して、成績も問題ないし、試験の範囲も聞きに行ってるから、先生としては問題ないだろうだってさ」
「そうか。それはよかった。次の面談の日もわかったら教えてくれ」
「わかった」
白いご飯を味わい、おかずを食べた。
いつもうまい。
シュウに視線をやると、ご飯を食べながら窓の外をやはり気にしている。
「...あ!確かに今日は遅いな」
「兄さんもやっと気づいたの?」
「なるほど。それで窓を見てたのか。」
シュウはやっと理解した俺にため息を吐いていた。
「兄さん、たまに抜けてるから心配」
「ははは、悪い悪い」
玄関から扉の音がバタンとなった。
「ジャジャーン!」
マモリがそこにはいた。
「...マモ姉、近所迷惑」
「そういうな、シュウちゃん!ちゃんと扉から入ったではないか!」
「そういう問題じゃないでしょ」
シュウは箸を箸置きにおいて、台所でご飯をよそい始めた。
「マモリ、遅かったな」
「ちょっとね〜。シュウちゃん、大盛り!」
「はいはい」
シュウは白いご飯をこんもり器によそった。




