#23
#1
「お、シュウゴ」
「シンゴさん、こんにちは。」
「帰りか?」
「はい。」
「んじゃ乗ってけ。」
「ありがとうございます。」
シンゴさんの車の助手席に座った。
ほのかに野菜の香りがする。
「学校はどうだった?」
「順調ですよ。」
「そうかい。」
「シンゴさんは配達の帰りですか?」
「そうだぞ。足もいい感じになってきたしな。」
「よかったですね。」
「そういえばこの前の飯の時に思ったけど、シュウゴは料理たくさん知ってるんだな。」
「いえいえ。趣味程度ですよ。」
「カナから聞いたけど、エーコちゃんに習ってるんだって?」
「はい。おかげで作れる料理も増えました。」
「勉強もちゃんとしてるってケイコちゃんからも聞いてるし、シュウゴは偉いな。」
「ありがとうございます。」
「まぁあんまり出来すぎると弱音も吐きづらいだろうが、またうちに来いよ。」
「はい。」
道路の向こうから西日が見える。
綺麗だな。
#2
「シュウゴ、寝るの早いな。」
「うん。早く寝れる時は寝ようと思って。」
「いい心がけだな。」
「兄さんは今日も勉強してるの?」
「ああ。この前のゲンさんの家の時計のこともあるし、古い機械のことも知っておきたてな。」
「そっか。あんまり夜更かししちゃ駄目だよ。」
「わかってるよ。おやすみ」
「おやすみ」
---
「お父さん、まだ寝ないの?」
「ああ、少し考え事をな。ちょっと野菜の仕入先増やそうと思ってな。」
「急に?」
「うん。カナも戻ってきて店番と配達が両方できるようになったろ?だからもっと卸先増やせそうだなと思ってな。」
「確かにそうだね。でも、お父さんがそんな話してくるの初めてだね。」
「ん〜そうだな…。若人に習って相談できる人には相談しようってことだよ。」
「へ〜。人は変わるんだね〜。」
「うるせい。いいから相談に乗ってくれ。」
「ふふふ。いいよ。その前にお茶持ってくるから一息入れてから話そ。」
#3
「リュウちゃん。今日の弁当は豪勢だな。」
「ははは。そうですね。」
お弁当はいつもの二倍ある。
「リュウが早起きして、たくさん料理したみたいで。どうやらシンゴさんから野菜とか色々もらってたみたいで。」
「ははは。なるほどな。」
「どうりで昨日早く寝たと思ったんですよね。」
「よしっ!んじゃ午後はいつもの倍働くか。」
「がんばりましょうか!」
…二人ともいつもの倍お腹が膨れた。




