#18
#1
「シンゴさん、お世話になりました。」
「気にすんな。ハナちゃんがいなくなるのは寂しいな。」
「また、来ますし、お手紙も書きますね。」
「楽しみにしているよ。」
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「あら、サチコさん。」
「ハナコさん、お久しぶりです。散歩ですか?」
「いえ、シンゴさんのところに行っていまして、ご挨拶に。」
「ご挨拶ですか?」
「はい。実はあの孤児院は役目を終えまして、私は次の孤児院に移ります。」
「そうだったんですね。急でしたので、挨拶もできず。」
「いえいえ。私もみなさんの顔を見ると寂しくなると思いましたので、シンゴさんのところだけご挨拶に行こうと思っていましたので。」
「次の孤児院はどちらになりますか?」
「隣の県になります。少し遠くなりますね。」
「ハナコさんがいなくなるのは寂しいですが、新しい町でも頑張ってください。」
「ありがとうございます。落ち着きましたら、またお手紙のやり取りをさせてください。」
「はい。」
ハナコさんは会釈をして歩いて行った。
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「ハナコさん、行っちゃうんだ。」
「うん。手紙をまた送ってくれるって楽しみだね。」
「楽しみだね。」
#2
「ここでは長く勤めました。」
「ハナコさん、お疲れ様。」
「では、マモリさん、今後は別々になりますが、頑張ってくださいね。」
「はーい。そういえば、あれはどうしたんですか?」
「あれは渡すべき人に渡しました。」
「渡すべき人?」
「はい。」
「ふーん。」
「では、マモリさん。また。」
黒猫が家の屋根を歩いていった。
#3
「あれ?お父さん、神棚に置いてあるのはどうしたの?」
「ああ、それはハナちゃんからもらったんだよ。」
「そうなんだ。綺麗な巾着だね。」
「ハナちゃんは裁縫も上手だったからな。」
「そうだったんだ。」
お父さんを見ると、仏壇を拝んでた。




