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白貝  作者: 黄金天狗
17/55

#17

#1

「ケイコさんって本当に凄いですね。」

「またそんなこと言って。カナちゃんも似たようなことを言ってたよ。」

「だって、カナちゃんと話す時もケイコさんのこと凄いって話してますもん。」

「何もすごくないよ。店をやって、3人の娘たちを育てている。それだけさ。」

「私もケイコさんみたいになれるかな?」

「誰だってなれるさ。私だって昔は可憐な乙女だったんだから。」

「ふふふ。昔のケイコさん見てみたいですね。」

「ただいまー。お、サチコさんこんにちは。」

「こんにちは、ユウコちゃん。アサコちゃんとヨウコちゃんは?」

「二人は本屋に寄ってくるって。私は先に帰ってきちゃった。」

「おかえり、ユウコ。」

「ただいま。お母さん、何か手伝う?」

「大丈夫だよ。上行って着替えておいで。」

「はーい。」

ユウコちゃんは階段を上っていった。


#2

「…アサ姉、お待たせ。」

「おかえり。ヨーちゃん、探してた本買えた?」

「…うん。」

「んじゃ、帰ろっか。」

ヨーちゃんは頷いた。

---

「…アサ姉は本買った?」

「うん。買ったよ。」

「…何買ったの?」

「えーっと、これだよ。」

「………難しそう。」

「そう?読んでると面白いよ?」

「…アサ姉、変。」

「変とは何よ。」

ヨーちゃんの頭を撫でると、ちょっと嫌そうな顔をしてる。

「ヨーちゃんは今日どんな小説買ったの?」

「…。」

ヨーちゃんは本を見せてくれた。

「お、最近話題の人だね。」

「…この人の文体好き。」

「そうなんだ。ヨーちゃんはどんな文体が好きなの?」

「………優しいの。」

「そっか。私にも後で見せて。」

「…うん。」

「お返しに私の本も見せてあげる。」

「…」

「なんでそんな嫌そうな顔するの。」

ヨーちゃんのほっぺをつつくと、とても柔らかい。


#3

「へー、ユウコちゃん、専門学校行くんだ。」

「うん。私、母さんみたいに料理でみんなに笑顔になってもらいたいんだ。」

「とってもいい夢だね。」

「ユウコ、料理だけじゃなくて、経営や会計も勉強しないとダメだよ。料理作る前に店潰しちゃ元も子もないからね。」

「はーい。」

「ケイコさんはいいお母さんだね。」

「現実的すぎない?まぁいいけど。」


#4

「サチコ、何か今日いいことあった?」

「ん?何で?」

「いつもよりご飯が美味しい気がして。」

「本当?」

「うん。何か優しい味がする。」

「そっか〜。ふふふ。」

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