プロローグ:誕生。錬金術が生んだ人間
――ここは、どこ?
真っ暗で何も見えない。
――俺は……誰なんだ?
名前……。まだ、付いてない。
製造番号 0134
それが今わかる自分の情報
かすかな光が俺を差し、ゆっくり俺を包む
目の前にいたのは白衣を着た人間。
その人間は俺に語りかけた
「……君は今日から僕の宝さ。0134……う〜ん、名前は何にしよう」
しばらく考え込む白衣の人。
そして俺に付けた名前……それは
「うん、そうだ。エルイストなんてどうだろう?ふふ、君は今日からエルイストだ」
エルイスト……それが俺の名前?
「そうだ、主人である僕の名前も教えないと。僕はファルオス……。ほら、何か喋ってごらん」
そう言って俺をなでた
「……まずは、自分の名前を言えるようになろうか。君は、エルイストだ」
「エル、イスト……?」
俺が発言したと同時にファルオスは褒め称えた
「凄いじゃないか!君の将来が楽しみだよ僕は!そうそう、明日のパーティに出席しなきゃな」
「パー、ティ」
「そう。僕は錬金術師。成長する人間そっくりのロボットを作っているんだ」
「……」
「見た目は間違いなく人間。そして人間が赤ん坊から段を踏んで成長するように、君も同じように成長していく。それが僕の理想」
うかれてそんな事を喋るファルオス。そして我に返り
「あっ、話がずれたね。その、人造人間を完成させた後日。お客さんを招いて、君を紹介するのさ」
「紹介……」
「聞きなれない言葉だとは思うけど大丈夫。僕がついてるよ」
「……主人」
「ふふ、僕の事はファルオスって呼んでくれて構わない。人造人間達と同等に接するのが、僕の喜び」
「喜び?……それは?」
「えぇと、喜びと言うのは……つまり嬉しいって事さ。幸せになれるんだ、嬉しい時は」
「……」
「さぁ、明日のパーティは豪勢にやるぞ!」
戸惑いながらファルオスに振り回された。
そしてパーティ当日 、黒いスーツを着せられ、赤い蝶ネクタイを付けられ
パーティに出席した
ファルオスは勢いよくお客さんにこう言った
「さぁ、皆さん!お待たせしました……製造番号0134、名はエルイストです!」
その瞬間お客さんの歓声が沸きあがる
中には「カワイイ」、「欲しい」などの声も混じっていた
初めて見るたくさんの人々に、俺は少々驚いた。
そしてファルオスはお客さんに向けて
「彼は私の自信作とも言えましょう。言葉を徐々に覚えていったら、小学校に通わせるつもりです」
その発言で、お客さんは不安の声を上げた
「何かご意見のある方は」
「あの、エル君を学校なんかに通わせて……大丈夫?彼はロボットなわけだし、イジメも受けるんじゃあ……」
「うん、僕は信じてる。エルは学校を通い、普通の人間として生きるんだ。そして社会へ出て働く。人間関係を知っておいてもらいたいんだ」
「でもでも!もし学校でイジメにあって、ネジとかが外れたらどうするの?それに、戦闘用ロボなら尚更……虐められる事で、人を殺しちゃうかも」
「……うん、それは……その。でも僕はやはり……エルに学問を学んで欲しい。普通の人間として生きて欲しい」
「その気持ちはわかるけど〜」
「……エルは、エネルギー補給にオイルだけじゃなく。人間食も食べられるし、お腹だってすくんだ。人間という完璧な存在に近づけるため」
「え?ご飯食べちゃうの?それって凄いじゃない……」
「だから人間の学校に通っても、問題はないと思うんだ。……僕はエルの事……一人の子供として」
その訴えにお客さんの一人が
「……そこまで言うなら、エル君は歓迎だね。今度うちの子が小学四年生になるんだ!お友達になってくれる?」
「……!はいっ、是非……!よかったなエル!」
「ファルオス……俺」
「エル。君は人間なんだよ……誰にもポンコツなんて、ロボットなんて……呼ばせない」
「……。ファルオス、お腹すいた。話長くて退屈」
「ん、あぁごめんね。それでは皆さん、エルイスト誕生パーティをどうぞ、お楽しみください。エル、お客さんと交流しておいで」
「うん」
ゆっくり階段を降り、お客さんの所へ行く。
何だかよく分からない、ジワジワする気持ちを抑えたくて
ただ話を逸らせて見た。この感情は……悲しいって言うんだって。
ファルオスを見ててそんな気持ちになった。
俺がテーブルの所まで行く。
するとお客さんは俺に話をかけてくる
「ねぇ、エル君は学校に入ったら何したい?」
「まだ、わからない」
「まぁこれからだんだんわかってくるわよね。これ、唐揚食べる?」
「……いいの?」
「もちろんよ、今日はエル君の誕生パーティなんだから!」
「ありがとう!」
「沢山お食べ」
「うん!」
『美味しい』
これが人間の感じる事なのか
俺はその日初めてその言葉を知った。
同時に『マズイ』、『おいしくない』という言葉も知った。
この感情をまとめて好き嫌いって言う事も、学んだ。
こうして楽しいパーティは幕を閉じた
続く
人造人間って、一応ロボットなのでSFなのかわからないなー…と思いつつSFにしました。だって、具体的にSFってどんな物かわかんないんだもん!(蹴)
とりあえず、チェック欄(?)にSFとファンタジーをチェックしたけど。
ごめんなさい、はいごめんなさい。
こんな作者ですが今後ともよろしくお願いします…




