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特殊砦で頑張りたい  作者: やなぎ いつみ
少しの勇気と沢山の優しさ
20/93

19.5 登場人物

やってみたかった人物紹介。

一応事実です。

登場人物紹介


アルト

種族:獣族(狼)

容姿:白銀の髪に金色の瞳

所属:第一隊隊長預かり

武器:ナイフ又は短剣、獣姿では爪と牙

一人称が『僕』の16歳の女の子

天然発言で周囲に混乱を巻き起こす

一歩間違えば匂いを頼りにディルに付きまとう拗らせ系の変人


ディル

種族:人間

容姿:黒目黒髪

所属:第一隊(隊長)

武器:長剣

期待と苦労を各方面からかけられる真面目な22歳の青年

この人の半分はやさしさでできている

大変な拾いものをしたが、本人は苦だとは思っていない


ルイツ

種族:獣族(狐)

容姿:薄茶の髪と瞳

所属:なし(副長)

武器:刀

腹黒といい人は両立できるという事を証明した37歳

獲物(隊員含む)には音もなく忍び寄る

そのお陰でルルイツに改名しようかと思うくらい、動揺しながら名を呼ばれることが多い

感覚は鋭くなるが、戦闘には向かないのであまり獣姿へは変化しない


カイル

種族:獣族(犬)

容姿:灰色の髪と瞳

所属:医療班

童顔で砦の隊員の中では比較的低身長な23歳の軍医

この人を嘗めてかかると痛い目に遭いそう

色んな意味で凄い姉がいる



リッツ

種族:人間

容姿:茶色の髪に焦げ茶色の瞳

所属:第一隊

武器:長剣

ルイツの謀略の生贄になってしまった18歳の新人騎士

アルトに小物と思われているかもしれない


ガルド

種族:人間

容姿:禿

所属:第二隊

武器:大剣

晴れの日は視覚的に眩しいオヤジ騎士

今後頭の毛並みに存在が薄くなる











【閑話 お菓子をあげる】


 アルトはその日の訓練を終え、ディルの引き継ぎが終わるのを待っていた。

 いつも通り扉の正面に座っていると、部屋の中の気配が動き始め、引き継ぎの終わりを察した。


「待たせたな、アルト」

「お疲れさまです。ディル様」


 アルトが出迎えると、部屋から出てきたディルが頭を撫でてくれる。


「アルトー、俺も労ってくれ」


 そう横から声をかけてきたのは、第二隊のゼクスだった。

 アルトが日々ディルについてくるため、自然と他の隊長も話しかけてくれるようになっていた。

 しかし、砦を離れている団長と、休みの第三隊長にはまだ会ったことがない。


「ゼクス隊長も、お疲れさまです」


 アルトは、ゼクスに微笑んで労いの言葉を掛けた。


「あー癒される……」


 しみじみと呟く様子に、アルトはまた笑いを漏らす。

 後から出てきた第四隊長が夜勤へ向かうのを応援し、アルトは部屋を覗いた。ルイツがまだ残っていたのだ。引き継ぎが終わっても、副長室に戻ればまだ仕事が残っているだろうに、ルイツは文句の一つも言わずに働いている。

 挨拶しておこうと思い見ていると、アルトの存在に気づいた彼は席を立ち、近づいてきた。

 そして、おもむろに言った。


「――口、開けて下さい」

「へ?」


 突然の内容に間抜けな声を出して見上げると、アルトの開いた口に、ルイツがぽい、と何かを放り込んだ。


「ふぇっ」


 思わず口を押さえ、口腔内の侵入者を確認する。

 丸みのあるそれを舌でころりと転がすと、アルトの口の中にふわりと甘みが広がった。


(――――お、美味しい……っ!)


 嬉しそうに頬を緩ませるアルトに、ルイツが満足そうに笑った。


「美味しいですか?」


 言葉にならず、アルトは激しく頷く。


「よかった。頂き物なのですが、私はそれほど食べませんので」


 砂糖菓子だということは、何となく分かる。しかし、砂糖だけで作られている訳ではなさそうだ。アルトは今まで旅や村での生活ばかりで、こういった高級な嗜好品に縁がない。


「これ、なんですか?」


 以前舐めた蜂蜜よりも遥かに美味しいものの正体が気になって、軽い気持ちで尋ねてみた。


「練乳を使って作った飴ですね」

「――――!」


 返された答えに、アルトは声にならない叫び声をあげた。

 貴重な砂糖を使って作る練乳に、さらに手を加えたもの。

 アルトから一瞬、味覚が消えた。


「これっ!そっ、高……っ!」

「落ち着けアルト、何を言っているか分からない」


 ディルが肩を叩いて宥めてくる。一呼吸置いて、アルトは叫んだ。


「こんな高いものを!」


 それもあんなに軽々しく。

 落としたらどうするつもりだったんだ。


「手渡しだと受け取らないかと思って。アルト君が食べないと、腐って捨ててしまうかもしれません」


 ルイツがアルトの心の声を汲んだ返答を返す。その言い分は確かに間違っていないが、アルトに与えるという考えには同意できない。


「もったいない……!」

「私には丁度いいですね」

「他の方……」

「むさ苦しい中年オヤジにあげて何が楽しいんですか?」

「――――」


 即座に否定できなかったことに、アルトは先輩の隊員達に心の中で謝った。

 黙り込んだアルトに、ルイツが微笑みかける。


「頑張ったご褒美ということで」

「頑張るのは当たり前です!」


 即答したが、ルイツから思わぬ反撃をくらうことになる。


「じゃあ私は副長としてどれだけ仕事をしても、褒められないことになりますね」

「――っ、そう言うのはずるいですよー……」

「副長に言葉で勝とうなんて、百年早いぞ。諦めて礼を言っておけ」


 ディルの正論に、アルトは諦めて頷いた。そもそもすでに食べてしまっている。


「そうですね……騒いですみません」

「いえいえ、思った通りの反応で面白かったですよ」


 どこまでもルイツらしい返答に、楽しんで頂けたならよかったです、と脱力した。

 口では色々と言うが、アルトのためにこれを用意してくれたルイツは、不器用で、優しい人だ。

 気を取り直して、アルトは口を開く。


「僕のために、美味しいお菓子をありがとうございます。ルイツ副長。とても、嬉しいです」


 微笑んだアルトに、ルイツは再び満足したように笑った。






完全なるおまけにまでお付き合いいただき、ありがとうございます。


後半はざくっと書いてしまいましたので、今後の展開と齟齬が出る部分があるかもしれません。おまけとして流してやってください<(_ _)>

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