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三章 事件―3―
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「そのノートに記されていたのが包帯男と美人の連れ添いの話だったんです」
「なるほど、それじゃあ、いまあなたが語っている事件とは別に、あのノートに書かれた事件があるということなんですね」
少女は私の言葉に微笑んだ。その表情からは、その意味するところが読めなかった。だから私はそのまま言葉を継いだ。
「つまり、あなたの語る一昨年の事件は、過去に起きた事件の見立て殺人だったと……」
ぐぅ。
私は無言で皿を差し出した。少女はもう顔を赤らめることも無く、カボチャをつまんだ。