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四号バンガロー  作者: 裃白沙
事件
7/20

三章 事件―1―

 ――3――


 野次馬心を胸に現場にむかうと、警察が橋の周りを封鎖している所だった。

「君たち、ここに泊まっていたのか」

 橋の周りでうろうろしていると、スーツ姿の男が近寄ってきた。紗綾は経験上この人が担当の刑事だと分かったから、昨夜の顛末を語って聞かせた。すると刑事は、

「ああ、その話は他の関係者からも聞いている。もう一回確認するが、水に何か重いものが落ちる音がして、ちょっとしてから向こう岸で光が見えたんだね」

 紗綾たちはそれに頷いた。

「それで、どのあたりが光っていたか覚えているかな?」

「それは、あのバンガローの辺りだったと思います」

「なるほど。それで、その光の後に誰かこの橋を渡って行った人はいるかな?」

「それなら、その光のすぐ後に女の人がこっちのほうに」

 と、言うのはもう一人の友人である。彼女の言葉に舞も紗綾も首を縦にした。

「それは光ってからどのぐらいあとだい?」

「すぐだったと思います。十秒、そんなところかな」

 舞がそう言うと、刑事はウムと唸った。

「十秒じゃこの橋は渡れん……」

「刑事さん。一体何があったんですか? さっき部屋から見たら、なにか橋の下に浮いてるように見えたんですけど」

 黙った刑事に対して、紗綾はあえて少し怯えたように、さりとて好奇心を忘れぬような口調でそう話しかけた。これがうまく当たったのである。

「ああ、どうせ知れることだが。昨日ここに宿泊していた他のグループを知っているかな? そう、その大学生の四人なんだが、その一人がな……」

「ひょっとして……亡くなったんですか?」

「ああ、そうだ。殺されてこの橋の下に浮いている。だから君たち、何か昨晩気になったことがあれば、どんな些細なことでもいいから私に話してくれ」

「でも、そんな何か気になったことって言われても……。何かないんですか、これが知りたいとか、訊きたいとか……。あ、でも捜査の秘密じゃ言えませんよね」

 紗綾のこの言葉は明らかに下心があった。しかし、証言者の言い分としてはなかなか適当なものではないか。何か思い出すきっかけが欲しい。そこから紗綾は捜査の情報を引き出そうとしていた。

「ウウム。そうだが……。例えばその残りの三人がだね、何か話しているのを見なかったかい?」

「それだったら、バーベキューの後、お風呂にそのグループの女性二人が居ましたよ」

 舞が証言した。紗綾ももう一人の友人もそれに頷くと、刑事はしめたとばかりに切り込んできた。

「何を話していたか、覚えているかい?」

「いや、その、どっちかの彼氏がどこかに行っちゃったみたいで、どこ行ったんだろうって。だから、その時にはもう行方不明になっていたんじゃないですか?」

「ウム。それは分かっているんだな……。他になにか無いかな」

「ああ、そういえば、その水に何かが落ちる音がした後、そのグループはバーベキューの後片づけをしていたんですけど、その時一人が言ってたんですよ、『あのバンガローいわくつきだ』って。何か、そんないわくでもあるんですか?」

 と尋ねたのは紗綾である。

「いわく……? 私はそんな話聞いたことが無い……」

 と、そこに一人、制服の警官が走ってきた。手には一冊のノートを持っている。

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