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悪役令嬢と誕生日パーティーの始まり

そして待ちに待ったお誕生日会リベンジの日

中庭にお茶会スペースを用意してもらった。

熱々のグラタンにサクサクミートパイ、厚切りのステーキ、ふわふわのスポンジにたっぷりの生クリームをのせたお誕生日ケーキ!

見ているだけでぐぅとお腹がなる。

準備をしてくれたメイドに頭を下げ

「こんなに沢山美味しそうな料理を用意してくれてありがとう!あとで料理長にもご挨拶に行っていいかしら?」

と言うとメイドたちは大慌て。


「めめめめ滅相もございません!」

「お嬢様の誕生日なのですからこのくらいご用意して当然です!お礼など仰るなんて・・・」

「あ、あのお嬢様からお礼の言葉が聞けるなんて・・・」

私がお礼を述べるだけでこの反応。

私が東雲亜樹子としての記憶を取り戻し、態度を改めて早一週間が経つというのに使用人達は一向に慣れてくれない。

(もうそろそろ飽きてきましたよ、その反応)

そう思いつつ私はもう一度ぺこりと頭を下げた。


「おぉ、準備はもう済んでいるな。」

出来上がった小ぢんまりとしたパーティー会場にお父様が足を踏み入れる。

「お父様!今日はパーティーを開くことを許してくださってありがとうございます!」

キュッとお父様に抱きつくと、お父様は嬉しそうに瞳を細めた。

「ミーシャが喜んでくれるならなんだってするさ。ところでミーシャ、誕生日パーティーには私も出席してい」

「あら、貴方こんなとこにいらしたんですね。ほら、子供の友情に大人が入るなんて無粋ですわ。行きますわよ。」

お母様はお父様を見つけるとガシッと腕をつかみ、引きずるようにして庭園を出て行く。

「あーーーー、ミーーーーシャーーー!私の可愛いミーシャが男の子とパーティーなんてーーーー!」


(お母様どうもありがとうございます。お父様のことは嫌いではないけど過保護すぎるところと、私に甘々すぎるのがたまにうざ・・・・コホン、短所でもあるのよねぇ。)

私が欲しいというものはどんな手も使ってみせるし、余程のことがない限りワガママも聞いてくれる。私が自制しないと際限が無い。いい領主ではあるのだけれど、私が絡むとダメ人間。

お母様に連行されるお父様に手を振りながら見送っていると、私付きメイドのサラが声をかけた。

「アドルフ様とアルヴィン様がお見えでございます。」


「ありがとう、サラ!!」

私はスカートをたくし上げ、玄関に走って向かった。

「あっ、お嬢様!!それはあまりにもはしたないのでおやめ下さい!!」

止められるも構わない

(私がどれほどこの日を待ち望んだか・・・。)

軽い打撲と切り傷で目覚めた次の日にはすっかり元気だったというのに念には念を、いつもと言動もおかしいしさらに念を・・・とベッドに縛り付けられ、起きることを許されたのは昨日のこと。


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