悪役令嬢パーティーに誘う
「ところでどうして二人はパーティーに来ていたのかしら?」
私が首をかしげて尋ねると二人はバツが悪そうにぽつりと答えた。
「美味しい飯があるって聞いて・・・。あと噂で聞いていたワガママお嬢様ってのが見てみたくて・・・」
「本当にごめんなさい。」
(あら、正直者)
二人の告白にその両親は目を見開き、そして鬼のような形相になった。
「お嬢様になんてこと言うんだ!」
怒り出す父親を笑顔で止め、二人を正面から見つめた。
「パーティーではあまり食べられなかったのではなくて?」
「うん」
二人が頷くのを見て私はいいことを思いついたとばかりに手を叩いた。
「では、改めて三人で誕生日パーティーをしましょう。誕生日パーティーでは私もあまりご馳走を食べられなかったの。美味しいものをたくさん用意するわ。友達になった記念ということも含めたパーティーよ。招待を受けてくれる?」
「美味しい飯が食べられるのか!?」
「いいの?」
嬉しそうな二人に私の胸も弾む。
「お嬢様、そんなご好意はうけられません。アドルフとアルヴィンはお嬢様に大変な迷惑をかけ無礼を働いたのです。本来ならお話しすることもできぬ身分であり、お嬢様に危害を加えたということで罪に問われてもおかしくないのでございます。それなのにご招待をうけるだなんて」
母親は申し訳なさそうに瞳を伏せる。