双子との出会い
本当にそう思っていたのだ。
あの日、あの時までは・・・
私はその日5歳の誕生日を迎え、それはそれは盛大なパーティーが行われた。
「ミーシャ様誕生日おめでとうございます。」
「おめでとうございます。年々可愛さが増しておられますね。」
会う人会う人私を褒め称える。
私はその賞賛が当然であるかのごとく、笑みを浮かべ受け流す。
(私が可愛いのなんて当然じゃない。何をふざけたことぬかしてるのよ。)
自分の誕生日パーティーだが、散々挨拶回りをさせられ、愛想をふりまかされ疲れてきた頃私はひときわ目を引く双子の男の子に出会った。
二人とも艶やかな金髪に深い海を思わせる蒼眼を持っていた。
透き通るような白い肌にぷっくりとした唇。
現実味がないほど美しい彼ら。
妖精だと言われれば信じてしまうだろう。
全く同じ美しい顔が2つ
違いといえばつけている蝶ネクタイの色だけ。私は美しすぎる双子に目を奪われてしまった。そんな二人は私と目があったのにもかかわらず、逃げるようにしてバルコニーへ向かった。
カチン
(何よ、この私に会ったのにも関わらず挨拶もなしなんて。飛んだ無礼者がいるようね。ちょっと美しい顔を持ってるからって調子乗ってるんじゃないわよ!)
私は鼻息を荒くしながら二人を追ってバルコニーへ向かった。
バルコニーにでると、二人は木を伝い下へ降りるところだった。
はっ!?
目の前の光景に呆然とする。
パーティーをこんな形で抜け出す奴がいるのか・・・
無礼をすっ飛ばして非常識だ。
二人は追ってきた私に気付かずに下へ降りようとする。
「成功だ!ほらな!なんともなかっただろ。」
「で、でも女の子に見られたよ。」
「あんなの平気だ。俺らのことなんか見てねぇよ」
ばっちり見てましたとも。
この不審者共を捕まえるべく、私はバルコニーから身を乗り出した。
はしっとつかんだ先の男の子は瞳を大きく見開き、そして私の顔を見た瞬間恐怖に顔を歪めた。
(何よ。失礼ね。化け物でも見たかのような顔しちゃって。)