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悪役令嬢は入学しない

「お父様、今お話いいですか?」

扉を叩きそう尋ねるとお父様すぐに出てきてくれた。

「もちろんだとも、どうしたんだい?」

私が部屋を訪れたことがそんなに嬉しいのかお父様はニヤニヤと顔を緩める。


「あの、お願いがあって参りましたの。私、プリミエール学園には行きたくないんです。だから、その、15歳の年に魔法石はいりません。」

私の言葉にお父様は目を見開く。

「あんなに欲しい欲しいとねだってきて、私も今から探していたのに・・・一体どうしたんだい?」


お父様の言いたいことももっともである。

そうだよね、あんなにねだってたもんね。


「私、ここにいたいんです。プリミエール学園に入学してしまうと寮生活になるから3年間はここを離れなくてはならないでしょう?私はここにいてもっとこの領地のことを知りたいし勉強したいんです。」


それらしい理由を並べるとお父様は目を潤ませガバッと私を抱きしめた。

「私は、私は嬉しいよ。ミーシャがこんなにもここを愛してくれて。実はお父様も可愛いお前を遠いところに、しかも寮生活なんて心配だったんだ。」

本音を言うと行かせたくない。

そんな気持ちがひしひしと伝わってきた。


「よしっ、わかった。15歳になったら魔法石の代わりにもっと素敵なものをあげよう。約束だ。」

感動するお父様を見つつ冷静に心の中でガッツポーズをする。


よしっ!これでフラグ全てへし折ってやった!

こっからは私のターン!

素敵な恋をして、結婚をして、穏やかに過ごしていく。


死に怯えることなく暮らしていくことができるのよー!!!


この時は本当にそう思っていた。


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